【なんてったってリハビリ! もしもに備える!基礎知識と最新事情】にっくき新型コロナ第3波に負けるな! 病気や事故の後遺症でリハビリに取り組まなければいけない人たち、中でも入院で頑張る人たちにとって今の状況はどう大変なのか。自らもリハビリ入院生活を送った医療ライター・熊本美加氏が取材、リポートします。

 本来なら街はキラキラしたイルミネーションであふれて、気分がワクワクするクリスマスシーズン! 昨年は入院中の病室の窓から東京タワーを眺めつつのぼっちディナーでした。孤独とせつなさと心細さと♪ マイナス感情が一気に押し寄せて、いい大人ですがさめざめと泣いたことを思い出します。「今年こそは!」とリベンジを狙っていましたがコロナのせいで台無しです。

 入院しながらのリハビリというのは、ただでさえ気持ちが不安定になりがちなのに、コロナ禍で私が入院していたリハビリ病院はいまだに面会禁止で、外来も閉鎖したまま。もちろん、年末年始といえども外出・外泊も一切許されません。こんな状況で患者さんたちのメンタルはいったいどうなっているのか!? 心配になって私を担当してくれた臨床心理士・山本真裕美さん(東京都リハビリテーション病院)に聞いてみました。

「やはり、面会の有無は患者さんによってはメンタルに影響しています。特に小さいお子さんを持つお母さんが入院している場合は大変そうです。心理療法では患者さんの家族や友人に会えないつらさやストレスをしっかりと傾聴し、心情に寄り添っています。当院は、Wi―Fiが使えるので患者さんがオンラインで家族や友人と話をしている姿は最近よく見かけます。外来通院をしていた患者さんには、こちらから連絡をしてご様子をうかがうこともあります。行き届いたケアができているわけではありませんが、何とか頑張っていきたいと思います」

 頼もしいお言葉です。

 そんな中、私の知人の知人が脳卒中で倒れて「食堂から富士山の見える病院に入院中」と情報が入ってきました。まさかのリハビリつながり! 早速、オンラインでコロナ禍のリアルをインタビュー。

「家族に会えるのは月1回の面談日のみで、病院はガラーンとしています。外部とのやりとりは、若い人はオンラインで、高齢の方は電話や手紙を活用。私の気分転換は売店でのお菓子の買い物やSNS。イイネだけでも自分を気にかけてくれている人がいるんだと励みになります。一番元気をもらうのは、入院しているお子さんたちの姿。とにかく適応能力がスゴイ! リハビリも入院生活も楽しくてたまらないという笑顔が周りを明るくしてくれます。誰もがぼっちなので患者同士のコミュニケーションが取りやすいのはメリットかも」

 確かに、私の入院時は面会に来たご主人や彼氏との二人羽織ラー(車椅子の背後にピタッとついて見守りサポート)がいっぱいで話しかけることすらできませんでしたからっ。コロナ禍でも前向きに入院生活を過ごしていると聞いて安心しました。みなさん、ファイトです!

 ☆くまもと・みか 医療ライター。昨年、電車内にて心肺停止で倒れ救急搬送。幸運にも蘇生したが、低酸素脳症による高次脳機能障害でリハビリを経験。社会復帰後、あまり知られていない中途障害者のことやリハビリの重要性を発信中。