森保ジャパンと対戦する中国代表で〝恐怖のカンフーサッカー〟が復活か。日本代表はカタールW杯アジア最終予選の中国戦(27日、埼玉)に向けて、24日に千葉県内で合宿を開始した。相手の中国は頼みの綱の帰化選手が続々と離脱。このため、中国が伝統的に得意とするフィジカル重視の肉弾戦へと切り替えてくる見込みだ。

 森保ジャパンが前回中国と対戦した昨年9月の試合では、帰化軍団が4人登場。そのうち今回はエースFWエウケソンが新型コロナウイルス感染、FWアロイージオは累積警告で日本戦が出場停止に。さらに新兵器のFWフェルナンジーニョはブラジルから経由地のオランダまではやって来たが、長時間の足止めを食らうと「家族の健康問題」を理由に突然チームを離脱し帰国してしまった。

 残る帰化選手はFWアランとDFティアス・ブラウニングのみとなり、森保ジャパンにとっては追い風になるはず…だったが、何やらキナ臭いムードが漂ってきた。

 最近の中国は帰化選手が増えてボール回しを重視する戦術だった中、今回はフィジカル自慢の選手を多く招集してパワープレー重視に。中国メディア「PPスポーツ」は「サッカー代表チームが〝中日戦争〟の考えを明確にした。中国代表チームは日本により強い圧力をかけて全力で戦う」と報じ、「鳳凰網体育」もエースMF武磊(ウー・レイ)の言葉を引用しながら「(9月の)最初の試合のような受け身の姿勢とは異なり、チームのスピリット、戦闘精神を引き出す」と指摘。中国が闘争心をむき出しにして日本を全力で〝潰し〟にきそうなのだ。

 中国は伝統的に肉弾戦が得意で、荒々しいラフプレーが多いことで知られる。特に相手に危険なタックルやキックを仕掛けるプレーが散見され、有名映画をもじって「カンフーサッカー」と呼ばれてきた。日本はそんな中国サッカーを苦手にしており、そこに目をつけた李鉄監督が帰化選手の相次ぐ離脱もあって大胆に原点回帰したのだ。

 森保ジャパンは中国のカンフーサッカーに苦い記憶がある。お互い国内組で出場した2019年12月の東アジアE―1選手権で対戦した際に、中国のDF姜至鵬が日本のDF橋岡大樹の後頭部に飛びヒザ蹴り。幸い大事には至らなかったものの、両チームは一触即発のムードとなった。姜の危険すぎるプレーは世界中で報じられ「殺人キック」「スポーツへの侮辱だ」などと大きな波紋を呼び、中国メディアでさえも批判したほどだった。

 李監督は日本戦に向けて「使命を達成するためにわれわれは戦う」と早くも戦闘モード全開。流血必至のカンフーサッカーが展開されれば、故障禍の森保ジャパンはさらにケガ人が増えてしまいそうだ。