【フロリダ州オーランド25日(日本時間26日)発】WWEのロウ大会で、“女帝”ことアスカ(38=華名)が保持するロウ女子王座への次期挑戦者決定トリプルスレッドマッチが行われ、ザ・ロック様こと俳優ドウェイン・ジョンソン(48)のいとこでWWE一の大女ナイア・ジャックス(35)が、女王様ことNXT女子王者シャーロット・フレアー(34)、ベテラン・ナタリア(37)との激闘を制して勝利。アスカは次回PPV大会「バックラッシュ」(6月14日)でナイアの挑戦を受ける。

 オープニングから波乱の連続だった。ケビン・オーエンズ(36)のコーナー「KOショー」のゲストに呼ばれたアスカは、オーエンズから戴冠を祝福された。何を聞かれても日本語で「そうなの~。そうなの~。うれしいわ~」と答えていたが、先週大会でナイアが祝賀パーティーをブチ壊した上、カブキ・ウォリアーズの妹分カイリ・セイン(31=宝城カイリ)が縦笛を練習している背後から襲撃された光景がビジョンで流されると、一気に怒りの表情に転じる。

「むちゃくちゃムカつくやろ。何じゃあいつは!」とアスカが吐き捨てると、唐突に女王様のテーマが鳴り響き、スマックダウン(SD)、NXTに続いて今週もシャーロットが登場。1週間3大会に出場している女王様は「ロウ王座は私の元にあるべきなの『レッスルマニア34』(のSD女子王座戦)でも、その後のSD大会でもあなたは私に勝てなかった。私との王座戦を決意するべきなんじゃないかしら」と貪欲に王座戦を要求した。

 さらにはナタリアまでリングインすると「私は先週ナイアに負けてしまって、悔しさで(KOショーの)セットを壊したことを後悔しているわ。だけど私も王座戦を…」とオーエンズに謝罪。すると女王様は「あなたは黙ってらして!」とピシャリと話をさえぎった。

 ここで大女ナイアまで登場したから、もうリング上は大混乱だ。ナイアは「私はあなたに通告したわよね。ロウのベルトは私にふさわしい。『バックラッシュ』での王座戦はどう?」と、他の2人を出し抜いて次期PPV大会での挑戦を迫った。

 一度に3人から一方的に感情をぶつけられた女帝がここでブチ切れた。アスカはナイアのボディーにパンチを打ち込むと裏拳一撃。一気に4人が大乱闘となった。

 大波乱のオープニング後、第4試合で3人が決定戦に出陣。アスカは解説席に陣取った。「ナタリアやったれ!」と名門ナイドハード家出身で親交のあるナタリアに肩入れするが、ナイアが2人をまとめて投げ捨てる大暴れ。当然、女王様とナタリアは共同戦線を張って大女を場外へ排除した。

 しかしナイアはシャーロットを場外へ引きずり落として解説席のテーブル板を外して攻撃を加えると、エプロンから場外へサモアンドロップを狙う。ここでナタリアが救助に入り、何と女王様と2人でナイアを解説席へパワーボム。机は沈み、さすがの女帝も絶句した。

 ここからリング上は女王様とナタリアの一騎打ちとなるも、解説者のアスカが大の字のナイアを強引にリングに戻す。すかさず女王様が十八番のムーンサルトを決めてフィギュアエイト(ブリッジ式足4の字固め)を狙うも、これはナタリアが妨害。逆に女王様へ必殺のシャープシューター(サソリ固め)を決めた。

 しかし蘇生したナタリアがカット。女王様がトドメの月面水爆に入ると、逆に雪崩式脳天砕きを狙うも、ナタリアがパワーボムの要領でコーナーの2人をまとめて投げ捨てる。それでもシャーロットがナタリアに足4の字を決めた瞬間にナイアはギロチン弾で阻止。すぐさまサモアンドロップでナタリアを圧殺して3カウントを奪取。アスカへの挑戦権を獲得した。

「なんやコラ、来てみろや!」と絶叫した王者だが、過酷な決定戦を勝ち抜いたナイアの実力は本物。初防衛戦はいきなり最大の試練となりそうだ。

「バックラッシュ」は日本時間6月15日、WWEネットワークで配信される。