新日本プロレス5日の東京ドーム大会で、IWGP世界ヘビー級王者のオカダ・カズチカ(34)がウィル・オスプレイ(28)の挑戦を退け初防衛に成功した。

 前日4日大会で鷹木信悟を破りIWGP世界王座初戴冠を果たしたオカダは、2夜連続となる王座戦で自称王者・オスプレイを迎撃。CHAOSで共闘していたかつての〝弟分〟との大一番は、壮絶な攻防の連続となった。約4メートルはあろうかという高さの場外鉄骨に登ったオスプレイのムーンサルトアタックを浴びたオカダだったが、サスケスペシャルをキャッチするとツームストーンパイルドライバーで場外マットに突き刺した。

 一進一退の展開は続く。レインメーカーを決めても3カウントは奪えず、オスプレイに掟破りのレインメーカーを浴びてしまう。30分過ぎにはヒドゥンブレイド(スライディング式バックエルボー)で後頭部を打ち抜かれ、ジャンピングニーから強烈なヘッドバットで窮地に陥った。

 それでも驚異の粘り強さを見せるオカダは、サポーターを外してのヒドゥンブレイドにカウンターのドロップキックを発射し形勢逆転。最後は開脚式ツームストーンパイルドライバーからレインメーカーをさく裂させて激闘に終止符を打った。

 試合後のリング上でマイクを握ったオカダは「オスプレイ、本物の王者はこの俺だけど、お前の強さは本物だよ。認めてやる。これで、胸を張って言えると思います。IWGP世界ヘビー級王者はこの俺だ。鷹木さん、オスプレイのように50周年にふさわしい相手と、50周年にふさわしい戦いを見せますので、オカダ・カズチカとIWGP世界ヘビー級にご注目ください」と豪語。すると直後にこの日の大会でジェフ・コブに勝利を内藤哲也が登場し「いま新日本で一番強い男は間違いなくオカダだよ。だからこそ、そんなオカダを感じてみたい。だからこそ、そんなオカダの持つベルトにチャレンジしたい」と挑戦表明を受けた。

 これをオカダは「この歓声を聞いたら問題ないでしょう。オカダ・カズチカ対内藤哲也、決定でいいんじゃないでしょうか。50周年にふさわしいんじゃないでしょうか」と受諾。さらには「猪木さん、俺はこの新日本のリングの上に猪木さんが上がってくれるのを待ってます。元気があればなんでもできる。そうでしょ? 猪木さん、しっかりと元気になってこのリングにまた上がってください」と、団体創始者であるアントニオ猪木の来場を改めて熱望した。

 コロナ禍の影響が長引き、プロレス界は苦境が続いている。そんな状況で再び団体を背負う立場となったオカダは「俺、やっぱり声援のあるなかでプロレスがしたい。もう無観客に戻りたくないですし、しっかりみんなの前で戦っていきます。全選手、熱い戦いしますので、これからも新日本プロレス、よろしくお願いします」と涙ながらに誓っていた。