【世界のレジェンド・ライガーが語る獣神激論】今月から新日本プロレスの東京ドーム2連戦(1月4、5日)で引退した獣神サンダー・ライガーの新連載「獣神激論」がスタート! 世界最大団体の米「WWE」殿堂入りを果たしたジュニアのレジェンドが、毎月気になる話題や自身のプロレス論について語ります。第1回は引退後に新たに見えた世界、そして新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛期間中のお勧めの過ごし方を教えます。
 東スポ読者の皆さん、お久しぶりです! 獣神サンダー・ライガーです。まあ、そんな久しぶりって感じもしないか(笑い)。引退後もテレビの仕事とか、試合の解説とかさせていただいているし、生活も割と変わらないんですよ。ただ「試合がない」っていうだけでね。

 でも現役時代と比べたら、何も考えずプロレスを楽しめるようになった。解説だから本当はいろいろ考えないといけないんだろうけど(笑い)。やっぱり現役だと次の試合で対戦するときのこととか考えちゃって、素直に楽しめない。そういう意味では36年ぶりにプロレスファンに戻れたって感じだね。視聴者の方と全く同じ目線の見方をしてると思うな。

 解説っていえば僕、3月に初めてスターダムの解説をさせてもらったんです。最初は「お仕事をいただいたから、やらせていただきます」ってくらいのスタンスだったんだけど、実際に見たらすっごい面白かったんだよ。全部の試合を見終わったあと「また来るから解説やらせてくれ! ぜひ呼んで! また見たい!」って、僕の方から頭を下げましたもん。選手もキャラが立ってるし、先日の「シンデレラ・トーナメント」の決勝戦(※)も解説してて興奮したしね。男女の差こそあれ、「やっぱりプロレスって面白いや!」って改めて思った。これも新たな発見だよ。

 今はコロナウイルスの影響で、大会が中止になったりしてる。やっぱり僕は引退するにあたって、本当に「ファンの声援に支えられてきたな」って感じたんですよ。だから一日も早く全てが揃う日が来てほしいなって思います。

 福岡でも緊急事態宣言が出されてますし、自宅の庭で趣味の食虫植物の世話をする時間がとにかく増えましたね。これがやること多いんだわ…。葉っぱを切ったり、植え替え、薬をあげたりとか、いろんなことに目を配ってやってるから楽しい。ビニールハウスの開け閉めとか、ちょっとしたその日その日の天気の変化に気を配ったり。自然と一体になってますよ。

 こういう時だからこそ、自然のものに目を向けるのもいいよね。ちょっとしたことで幸せを感じられるし、皆さんにもそうあってほしい。もしも興味がある方がいたら、新たに始めるいいキッカケなんじゃないかな。

 暗くなりがちなご時世だけど、この連載では堅苦しいものじゃなく「一緒にプロレスを楽しもう!」って気持ちで、僕なりに思うこと、考えを伝えていけたらと思います。コロナが終息するまで大変なこともあると思いますが、ともに頑張りましょう! 

※ 3月24日の後楽園ホール大会で開催された「シンデレラ・トーナメント」は、破竹の勢いで勝ち進んだジュリア(26)が優勝決定戦に進出。刀羅ナツコ(29)との感情むき出しの攻防をステルス・バイパー(裏STF)で制して初優勝した。

☆じゅうしんサンダー・ライガー 1989年4月24日、漫画家の永井豪宅で誕生。同日の新日本プロレス東京ドーム大会(対小林邦昭)で獣神ライガーとしてデビュー。同年5月25日にIWGPジュニアヘビー級王座を戴冠し、90年1月に獣神サンダー・ライガーに改名した。「トップ・オブ・ザ・スーパー・ジュニア」や「スーパーJカップ」などで優勝を飾った他、ヘビー級戦線でも活躍。今年1月の東京ドーム大会で引退後、2020年度のWWE名誉殿堂「ホール・オブ・フェーム」入り。正体は「山田恵一」とされる。現役時は170センチ、95キロ。