新日本プロレスと米AEWの合同興行「Forbidden Door(禁断の扉)」(26日=日本時間27日、イリノイ州シカゴ)で、文字通り両団体の〝扉〟が開かれた。オカダ・カズチカ(34)はIWGP世界ヘビー級王座戦4WAYマッチでベルト奪回に失敗したものの、今後のAEWスターとの対戦に意欲。大張高己新日本プロレス社長も関係継続と日本での大会開催の希望を口にした。

 世界中のプロレスファンの注目を集めた合同興行は、チケットが早々に完売。ユナイテッドセンターに1万6529人(主催者発表)の観衆を動員し、両団体のスター選手同士の戦いが熱狂的な盛り上がりを生んだ。

 オカダはIWGP世界王座戦史上初の4WAYマッチでアダム・コール、ハングマン・ペイジとともに王者ジェイ・ホワイトに挑戦した。現地ファンからの大声援を背にコールを攻め立てたが、背後から忍び寄ってきたジェイのブレードランナーを浴びてまさかのKO。そのままジェイがコールをカバーして3カウントをかっさらわれた。

 とはいえ「禁断の扉」が開いた大会は、両団体にとって大きな一歩となった。オカダは「僕が(名前を)出すよりもみなさんにいろいろ想像してもらった方が、プロレスというのは楽しくなると思う。何となく『オカダはこの人と戦いたいんじゃないかな』と思ってほしいですね」と、今後もAEW勢との対戦に前向きな姿勢だ。

 大会後に取材に応じた大張社長も「多くのドリームマッチが実現できた大会」と胸を張った。メインに出場した棚橋弘至も試合後に「こんな経験ができて光栄だ」と話していたという。

 今後に関しては現段階で未定だが、大張社長は「個人的な意見としては、直前で(米国に)来られなくなった選手もいるので。まだ見たい選手や見たいカードはあります。続きは見たいですね」と〝第2弾〟の実現に意欲を見せた。さらに「日本で見たいニーズはあるんじゃないでしょうか。それを実現させるなら(旗揚げ)50周年イヤーはいいきっかけですよね。(AEW勢にも)日本のファンの前で試合をしたい選手もいると思います」と「禁断の扉」の国内開催の可能性についても言及した。

 AEWにはAEW世界王者のCMパンクや、ブライアン・ダニエルソンなど直前の負傷で出場がかなわなかったスター選手もいるだけに、まだまだ開けるべき「禁断の扉」は残っている。両団体の今後から目が離せなくなりそうだ。