“荒鷲2世”坂口征夫が41歳で初のシングルタイトル

2015年06月29日 16時00分

征夫(右)は竹下の後頭部へ父の得意技ジャンピングニーアタックを見舞った

 28日のDDT東京・後楽園ホール大会で行われた「KING OF DDT」決勝戦は、坂口征夫(41)が竹下幸之介(20)を破り初優勝を飾った。これで、8月23日東京・両国国技館大会のメーンでKUDO(年齢非公表)の持つKO―D無差別級王座挑戦が決定。“荒鷲2世”にとっては格闘人生最大の大一番をたぐり寄せた初のシングル勲章となったが、この裏に隠された父・坂口征二氏(73=新日本プロレス相談役)との「親子愛」とは――。

 

 準決勝で樋口和貞(26)を下した征夫は、決勝戦で一昨年の東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞新人賞受賞者の竹下と激突。15分過ぎにジャーマンを浴びたが、執念でカウント2で返すと強烈な打撃の連打で主導権を奪い返す。最後は「神の右(ランニング式ニー)」2連発で参加16選手の頂点に立つと同時に、両国決戦メーンイベンターの座もつかんだ。

 

 33歳だった2007年4月にパンクラスでプロデビュー。遅咲きの格闘人生で悲願の初シングルタイトルだ。励みになったのは父・征二氏の存在だった。「試合前にオヤジからメールが入ってて。『勝っても負けても、お前の生きたものを見せてやれ、頑張れ』と。『応援してるよ、父より』ときてたんです。オヤジにありがとうと言いたいですね」(征夫)

 

 これまでプロレスに関して一切口出ししてこなかった父から、初めて届いたエール。10代のころは小柄な体と、偉大な父という重圧からレスラーになる夢を諦めたこともあった。「昔から坂口征二の名前に負けて、何をやっても中途半端だった」と順風満帆と程遠い格闘人生を送ってきただけに、この日の喜びは格別だった。

 

“世界の荒鷲”もその姿を陰から見ていた。「スカパー!で1回戦から見てたしね。メール? 年も年だし、最後のチャンスだと思ってね。ハハハ」。電話で祝福の言葉を伝えたという征二氏は「(周囲から)いろいろ言われながらもオヤジの背中見てやってきてくれて。いいんじゃないの? 逆に幸せなヤツだよ。両国のメーンは俺も猪木さんたちとやってきたけど大変。納得のいく試合をしてほしいね」と、ベルト奪取がかかる大一番にも期待を寄せた。

 

 DDTマットでプロレスラーになってから3年。「諦めた夢を復活させてくれたのがDDT。やるからにはテッペンですよ。ベルトを取って恩返しだと思っている」と豪語する荒鷲2世が、ついに夢の晴れ舞台に立つ。