女子プロレス界のカリスマ・長与千種 スターダムの親会社ブシロードに宣戦布告!

2019年12月08日 17時00分

長与千種

 カリスマ・長与千種が女子プロレス界の盟主でスターダムの親会社・株式会社ブシロードに宣戦布告。業界の新たな「仕掛け人」となることを高らかに宣言した。

 マーベラス8日の後楽園大会で、団体創設者の長与は、2016年5月の旗揚げ戦後、初めて選手としてリングに登場。この日、55歳の誕生日を迎えたカリスマは、愛弟子のエース・彩羽匠(26)とシングル初対戦。超満員札止めのファンの大声援を背に登場した。

 大会前から「これがマーベラスで最初で最後の試合」と公言していた長与がコールされると、無数の赤い紙テープがリングを覆い尽くして、1980年代のクラッシュギャルズ全盛期のような女子の大歓声が後楽園ホールに渦巻いた。

 じっくりとした攻防が続くも、天から地から、あるいは会場の四方から全体を見渡せるカリスマが、南から北まで彩羽を客席で引きずり回し、プロレスの奥の深さを叩き込む。

 だが26歳の若きエースのスタミナも無限大だ。2度にわたる浴びせ蹴りの相打ちで両者ダウンとなるも、師匠の鉄拳制裁に耐え、前のめりに反撃を続ける。顔面へのパンチを号砲にロー、ミドルキックを連射。長与をマットに座らせ、背中と胸板に強烈な蹴りを見舞った。

 15分過ぎには一気に加速。ミドルキックでダウンを奪うや、座り込んだ長与の顔面に低空ミサイルキック7連打。それでも長与は大の字になったまま「来いや!」と絶叫して攻撃をあおり続けた。

 この後に彩羽がスワーントーンボム。だが長与は意地だけでカウント1で返す。ならばとトドメのジャーマンを狙おうとするも、長与は体を反転させて左腕をクラッチしながら顔面へパンチ連打を叩き込んだ。

 しかし彩羽はクラッチした相手の左腕を全力で蹴り上げてダメージを与えて両腕をフリーにすると、すかさずこの試合2度目のランニングスリー。カウント3がゆっくり入り、師匠譲りの大技で長与から初めて3カウントを奪った。

 試合後、マットに正座した彩羽は「こういうプロレスは初めてです。長与さんが常々おっしゃっている言葉の意味が分かりました。長与さんと最後に試合ができて幸せです」と感極まった表情を見せた。

 受けた長与は「自分のの人生の時間を持って会場に来てくれるファンは、当たり前の存在じゃない。リングに輝く星を見つけてくれるのはお客さん。100の技を出しても、お客さんに何かを感じ取ってもらって帰ってもらえなければ、それは0に等しい。真面目に生きていたけど、何をしでかすか分からない私のところにきてくれてありがとう。彩羽匠をマーベラスの後継者として認めます」と世代交代を認めた。

 次の瞬間、ファンの感動の号泣は驚きの声に変わる。長与はマーベラスの代表取締役辞任を電撃発表すると「拝啓、ブシロード様。ひとつの会社だけにおいしい思いはさせない。これは最後の遊び心だ。女子プロレスを選んでくれたブシロードさんに心から感謝します。後ろになんかついていかない。ケンカなんかしません。一緒に歩いて進むような人間じゃないですから。必ず横に並びます。振り返ればじゃない。いつも気づけば横にいるますから」と断言。10月にスターダムを傘下に収め、業界最大手の新日本プロレスの親会社に宣戦布告を放ったのだ。

 さらには「仕掛け人、動きます。年齢は年の数だけある。でも夢は一生です。彩羽、団体はお前に任せた。プロレス界の1番じゃない。社会の中の誰かのオンリーワンになれば、ナンバーワンになれる。誰しもが有名になれる。でも俺はマーベラスにいたら仕掛けを作れない」と新たな会社のトップに彩羽を指名した。

 受けた彩羽は「長与さんは思う存分、仕掛けてください。彩羽匠は長与さんの仕掛けるプロレスを楽しみたい。マーベラスを任せてください」と涙声で語ると、師匠と熱い抱擁を交わした。 

 バックステージに戻った長与は、赤い虎の覆面をかぶると「仮称だけど女子プロレス実行委員会の始まりだよ。ニュートラルな立場に立って仕掛けをするから覆面をしないとね。(スターダム以外の)みんな、ついてこれるかい? 仕掛けに乗りたいヤツは名乗り出て来い。歴史を変えようぜ」と、改めてごく友好的に女子プロレスの改革に着手することを明言した。

 デビュー40周年を来年に控え、再び動きだした女子プロ史上最大のカリスマ。業界に大きなうねりが起こることは必至となってきた。

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