西東京のソウルフード「ピリカ」閉店を惜しむ声

2019年07月15日 10時00分

閉店を聞きつけて多くの客が駆けつけた

 東京都西東京市で40年ほど営業を続けてきた「札幌ラーメン ピリカ」が先日、閉店した。日本全国には、数え切れないほどのラーメン店がある。もちろん、その中には有名店も数多く存在する。そんな中、まったくメディアに出ることもなく、ひっそりと営業を続けていた。

 ピリカは“寡黙なおやっさん”が魅力で、このおやっさんに会うために、地元の人たちを中心として数多くの人たちが通っていた。おやっさんは、ほとんど無言でただひたすらラーメンを作っていた。客と会話することはあまりない。

 お客さんが来ると「いらっしゃいませぇ~~」。注文を受けると「あ、はぁ~ぃ」。お会計を済ませると、「ありがとうございましたぁ~~」などと言うくらいだ。それも蚊の鳴くような声でだ。地元の人たちは、この声を聞きたくてやって来ていた。

 ほとんどの客が「みそバターラーメン」と「餃子」を食べるためにやって来ていた。昭和の価格も魅力的だった。「みそラーメン」は400円で、「みそバターラーメン」が450円。「餃子」は、8個で250円。とにかく爆安なのだ。

 おやっさん=店長に話を聞いた。

「もう長年この店をやってきましたが、今回、東久留米市滝山にある、兄がやっている中華料理店を継ぐことになり、こちらを閉めることになりました。ウチはリピーターが多かったです。学生のころ通ってくれていた人たちが、今でも来てくれています。1人でやっているので、客が増えても困りますね。そんなことから、雑誌なんかの取材も受けてきませんでした。もう私も68歳です。兄の店に入ってからは、今のメニューを出せるかどうかは分かりません。お兄さんがいいと言えば出しますが…私はそちらでは一従業員ですから」

 閉店直前には、数多くのリピーターが足を運んでいた。53歳男性は「小学生のころから通っていました。リピーターは、ネットには書かなかったんです。お客さんが増えてしまうと、ご主人も大変ですから。やっぱり。本当に地元の人たちから愛されていた店なんです。西東京のソウルフードですね。長年ご苦労さまでした」と話していた。