衝撃の結末が待っていた。格闘技イベント「RIZIN.28」(13日、東京ドーム)のメインで〝最強兄弟の兄〟、朝倉未来(28)がクレベル・コイケ(31)に2ラウンド(R)1分51秒、屈辱の敗北を喫した。

 相手は欧州のMMA(総合格闘技)団体「KSW」の元フェザー級王者で、寝技の名手。一方で自身は打撃に自信を持っており対照的なタイプととらえつつも、戦前は「打撃の戦いになる」と語っていた。

 その予測通り、1ラウンド(R)は主に打撃の応酬。タックルから三角絞めに捕らえられながらも、効果的な左右のパンチを打ち込むなどしてペースを握る。

 しかし2Rの序盤にスタンディングの状態で組みつかれると、再度の三角絞めへ。自らタップしない意志を貫いたが、そのままレフェリーが試合を止め、失神負けを喫した。

 右目付近を腫らした朝倉未来は「悔しいが試合をやってよかった。東京ドーム大会のメインで試合ができたことは今後の自分の宝になると思う」と気丈に振る舞ったが、今後について問われると「引退も含めて考える。格闘技を始めて10年くらい。今日ここで負けて、この先、格闘技をやっていく意味があるのかどうか。自分に落胆しているし、トップを目指せないんだったらやる意味がない。(その一方で)日本の格闘技を盛り上げる役目がまだあるとしたら続けるかもしれない。周りの声を聞いて判断する」と語った。

 日本のMMA界にすい星のごとく現れた最強兄弟の兄の進退が今後、注目を集めそうだ。