9日に発表された都道府県別魅力度ランキングで44位だった群馬県の山本一太知事が、同ランキングを「分析がずさんで不正確と言わざるを得ない」もので、「説明責任を果たしていない」と改めて批判し、法的措置をとる可能性を示唆した。12日の会見で語った。

 昨年の40位からランクダウンの群馬県。同じ北関東では栃木が41位、茨城は最下位(47位)と下位に並んだ。山本氏は「なぜ群馬県の順位が下がったのか、理由は判然としない。こうした根拠の不明確なランキングによって、本県に魅力はないと誤った認識が広がることは、県民の誇りを低下させるのみならず、経済的な損失にもつながる由々しき問題だと思っている」。続けて「もう一度内容を精査し、弁護士と相談の上、法的措置を検討してまいりたい」と踏み込んだ姿勢を示した。群馬県では独自に行った検証結果を7月に公表し、「『魅力度』を適切に示すランキングとは言えない」などと批判していた。

 同ランキングは民間シンクタンク「ブランド総合研究所」が毎年実施している「地域ブランド調査」に基づくもの。全国の消費者に認知度や魅力度、イメージなど計89項目にわたるアンケート調査を行い、今年は約3万5000人から有効回答を得た。同研究所の田中章雄代表は、講演依頼のウェブサイトで「ブランド戦略の第一人者」と紹介されている。ランキングでは都道府県ごとにポイント化されており、今年は13年連続の1位となった北海道が73・4点、2位京都(56・4)、3位沖縄(54・4)…群馬(15・3)、茨城(11・6)となっている。

 山本氏は「もともと前向きな性格なので、あまりいろいろなことに目くじら立てたくない」としたが、ランキングのメディア露出の多さなどから観光などへの影響を懸念して異議を唱えた。ブランド総研の資料によると昨年の結果は、発表後3か月でウェブ記事の掲載が852媒体。今年も情報番組が多数紹介している。

 山本氏の言い分ももっともだが、ネット上では「逆にニュースになって44位が浸透した」「(群馬より下の)茨城の気持ち考えろ」「器が小さい」など知事に批判的な声も。50代群馬県民の男性は「そっとしておいてくれと言いたい。山本知事はどうも目立ちたがり屋なところがある。ちょっと前にも若者のワクチン接種加速のために、新車や旅行券を抽選でプレゼントしていたが、(県の)予算の使い方としてはどうなのか。今回の法的措置も費用は我々の税金から出るのか」と声を大にする。まだまだ波紋を広げそうだ。