ロッテの佐々木朗希投手(20)が、楽天とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第1戦(ZOZOマリン)に先発した。

 CS最年少勝利がかかるマウンドで、6回4安打1失点(自責0)の好投。降板後に救援陣が逆転を許し、自身に白星はつかなかったものの、チームは九回にサヨナラ勝ちを収め、シリーズ突破に王手をかけた。

 チームにとって大事なCS初戦。令和の怪物は立ち上がりから一気にギアを上げた。先頭打者の山崎剛の打席でいきなり球速157キロを記録すると次打者・岡島の3球目には自身プロ最速となる159キロをマーク。初回を2三振を含む三者凡退で切り抜けた。

 続く2回は二死二塁から渡辺佳の投ゴロを一塁に悪送球。まさかのミスで先制点を許したが、3回以降は立ち直り本来のピッチングに。結局、降板する6回までに毎回奪三振を含む圧巻の96球10奪三振で大舞台での大役を見事に果たした。

 降板後「自分のミスで点を取られてしまいましたが、3点援護をもらって割り切って投げることができました」と佐々木朗。負けられない一戦で実力通りの投球を披露できたことは今後につながる。

 チームも逆転された後の8回にエチェバリアの一発で同点に追いつき、9回には代打・佐藤の一打でサヨナラ勝ち。シーズンと同じ「一丸野球」で泥臭く勝利をもぎ取った。

 井口監督も試合後「朗希が本当にしっかりゲームを作ってくれた。今シーズン頑張ってくれた中継ぎが点を取られましたけど、今年は最後まで諦めずに戦うのがマリーンズの野球なので。しっかりとした野球が出来たと思います」。

 シーズンを4連敗で終えたロッテに再び勢いを呼び寄せた佐々木朗。チームの下克上はやはりこの右腕がカギを握りそうだ。