ツバメの若き大砲はハートの強さも規格外だ。6日のヤクルト―阪神戦(神宮)の5回二死一、二塁。打席に阪神・佐藤輝を迎えた場面で、三塁を守るヤクルト・村上が審判団にアピールをする場面があった。

 直前に二塁走者の近本がリードをとりながら左手を数度動かしたしぐさが「何らかの伝達行為にあたるのでは」とのアピールだったとみられ、阪神ベンチからは「ゴチャゴチャ言うなや! 絶対やってへんわ! ボケ! アホ!」との怒声が飛んだ。

 多くのファンが注目したのは、直後の村上の行動。21歳の若さで毅然と審判にアピールしたこともさることながら、阪神ベンチからのヤジを受けて「ちょっと、アカンでしょ!」と三塁側に歩を進めながら〝応戦〟した場面だ。

 猛虎を前に一歩も引かない態度と鬼気迫る迫力に、ファンの間では「21歳であの貫禄はすごい」「カッコ良すぎる。男だわ」「度胸があるな」と絶賛するツイートが相次いだ。

 村上の抗議後、騒動は名幸球審を間に挟み、激怒した矢野監督と高津監督の押し問答に発展。近本に対して審判団から「紛らわしいからやめましょう」と注意が発せられて何とか再開した。

 異様な雰囲気で進んだ試合だが、阪神の優勢は変わらず。1―5でヤクルトは敗戦。それでも神宮の燕党には村上の姿が頼もしく映ったようだ。