根尾を忘れるな。中日サイドが新人王争いの行方に注目している。中日は11日の阪神戦(甲子園)で一時は3点リードを奪いながらも逃げ切りに失敗し、今季5度目の引き分けに終わった。

 この日、阪神の佐藤輝明内野手(22)が4回に二塁打を放つなど3打数1安打で打率2割6分7厘とし、リーグトップタイの10本塁打、同2位の28打点を誇り、新人王の最右翼とみられている。

 そこにDeNAでレギュラーとして定着している牧秀悟内野手(23)、守護神を務めて9セーブをマークする広島・栗林良吏投手(24)、負けなしの3勝で防御率1・55をマークしている阪神・伊藤将司投手(25)らも有力候補とみられている。

 そんな状況の中で3年目ながら新人王の資格を持つ根尾昂内野手(21)を猛プッシュする声が出ている。球団内では「根尾の能力をみくびらない方がいいよ。確かに現時点では佐藤らにかなりのリードを奪われているけど、まだ5月だし、ここから巻き返せる可能性は十分ある。開幕当初は1割台で低迷していた根尾も打率を2割台に乗せてきたし、覚醒の予感がプンプンする。ここから新人王を取るぐらい突き抜けた成績を残せると信じている」と力説する。

 別の関係者も「世間のほとんどの人は根尾の新人王はもう無理だと決めつけているかもしれないけど、諦めることはない。佐藤に本塁打では9本差もあるけど、タイプが違う。それに根尾のプロ1号は満塁弾という離れわざをやってのけたし、投票する記者たちにもかなりのインパクトを与えたはず。これから打ちまくって打率3割を超えていけば新人王のチャンスの目はある」と踏んでいる。

 中日内の「新人王は根尾だ」の超ポジティブ思考は果たして正夢になるのか。