巨人幹部は阪神サイドに謝罪 〝失礼動画〟拡散騒動はなぜ起きたか

2020年08月07日 06時15分

6日も円陣の中心には北村。その背中に虎党のヤジが飛んだ

 巨人・原辰徳監督(62)の超仰天采配が飛び出した6日の阪神戦(甲子園)は0―11で惨敗。その舞台裏で球団は、前夜に起きた阪神・藤浪晋太郎投手(26)を巡る〝失礼動画拡散騒動〟の対応に追われた。動画の流出源となった巨人は公式ツイッター上だけでなく、球団幹部が阪神側に謝罪する事態に。ひとまず両球団の間では一応の決着をみた格好だが、そもそも動画が配信されてしまった原因は――。

 発端は5日の試合前だった。ベンチ前の円陣で北村拓己内野手(23)が「相手ピッチャー藤浪さんですけど、当てられる前にしっかりバットに当てて、初回からエンジン全開でいきましょう!」と声出しを行った。

 制球難で苦しんできた右腕への皮肉と受け取られかねない発言ではあったが、このシーンがなぜか球団公式ツイッターで動画配信されてしまった。球団はその後に投稿を削除したが、時すでに遅し。瞬く間にネット上に拡散し、球団への批判が殺到した。

 この騒動に、動画の発信源となった公式ツイッター上で「不適切な動画」とした上で「タイガースファン、ジャイアンツファン、プロ野球ファンの皆様に不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございませんでした」との謝罪文を掲載した。

 ただ、それだけでは収まらなかった。巨人の球団幹部も腰を上げ、阪神の球団幹部に対して謝罪。阪神サイドは「気にしないでください。藤浪本人も気にしていません」と大人の対応を取ったという。

 それにしても「不適切動画」が、なぜ流出してしまったのか…。際どい内容であれば、そのままお蔵入りさせれば、こんな騒動にはならなかっただろう。球界関係者も「北村君がかわいそう。多かれ少なかれ、どこのチームも盛り上げるために少々過激なことを言うことはある。問題なのは、内々の話をオフィシャルが世の中に出してしまったこと。これは責められても仕方がない」と語る。

 結論からすると「チェックミス」(球団関係者)という初歩的な不手際だった。SNSに動画などを配信する「ブランドコミュニケーション部」は昨年12月に発足。普段から今回の円陣やベンチ裏など、球団スタッフしか立ち入れないエリアから映像を届けてきた。

 特に脚光を浴びたのが報道陣に取材自粛要請が出された個人調整期間。どうしても巨人情報が制限される中、選手たちの練習風景や会話を積極的に提供し、ファンとの交流企画も好評を博した。公式ユーチューブでは異例の再生回数270万回を超える数々の〝ヒット作〟も生み出した。チェック機能が働かなかった一因に「ウケたからという気の緩みもあったのでは?」と指摘する球団関係者もいた。

 北村は自らの発言に反省の態度を示しているという。試合前までは連勝中のゲン担ぎもあって、この日も声出し役を務めたが、その背中には「変なことしゃべるなよ!」とのヤジが浴びせられた。選手を守るべき立場の球団が若手有望株を危険にさらしては本末転倒。今後は球団の方針通り、再発防止に努めるしかない。