広島の若手は発奮するしかない。現在、二軍の選手らが生活をしている広島・廿日市市内の大野寮が、定員オーバーの状況だという。将来を見据えた戦略としてここ数年で20代前後の選手を大量に獲得。さらに、ドミニカ共和国のカープアカデミーからも練習生を来日させていることもあって球団幹部も「これほど人が多いのはかつてない」と目を丸くするほど、大野寮には大量の若手やドミニカンが入寮している。

 もちろん、選手には一人一部屋が割り振られ快適な生活を送っているが、普段、寮で寝食をともにする球団関係者らは隣接するホテルに宿泊するという異例の状況。27日にはリニューアル工事がスタートし、寮生は全員ひと足先にキャンプ地入りするが、改修後も部屋が足りない状況は変わらないという。

 解決策は明確で若手選手が一軍入りを決めること。一軍寮である広島市内の大洲寮に“昇格”すれば、空いた部屋にホテル住まいの関係者を迎え入れることができる。チーム関係者は「キャンプが終わりオープン戦が本格的に始まれば、入れ替えで若手が一軍に上がって大野寮にも空きが出るだろう」と即戦力のドラフト1位・森下暢仁投手(22=明大)や高卒3年目にして初の一軍キャンプをつかんだ中村奨成捕手(20)らの二軍寮卒業に期待を込める。

 ただ、中堅やベテランの頑張りによって若手の一軍入りがかなわなければ…関係者のホテル代がかさんでいくことになる。26日、広島市内で金本知憲氏とのトークショーに参加した佐々岡真司監督(52)は「投手も野手もみんな若い。誰もいなくて悩むよりもうれしい悩みがあったほうがいい」と若手の台頭を求めたが、果たして…。