「聖地」でビッグインパクトを残した。エンゼルスの大谷翔平投手(27)が5日(日本時間6日)、敵地レッドソックス戦で先発マウンドに立ち、今季最長となる7回を99球、6安打無失点無四球、11奪三振の快投で今季3勝目を飾った。“リアル二刀流”の「3番・投手」としてラインアップされ、打撃でも4打数2安打1打点をマーク。投打でフル回転し、チームを8―0の完勝劇へ導いた。約103年前に元祖二刀流のベーブ・ルースが立ったフェンウェイ・パークのマウンドでまた1つ新たな歴史を築き上げた。

 圧巻の投球だった。立ち上がりから気迫十分の大谷は初回に振り逃げを含む3三振をいきなり奪う。2回には初めて単打を許すも、全く慌てることなく無失点。3回に入ると二死から連打を許して二死一、二塁のピンチを招いたものの4番・マルティネスを98マイル(約158キロ)の直球で空振り三振。この日は要所でスライダー、カーブ、スプリットを交えながら緩急をつけ、今季最速となる100・3マイル(約161キロ)も計測した速球をグイグイと押し込み、強力なレッドソックス打線をストライク先行で翻弄し続けた。

 この日は大谷にとってメジャー最古の球場として知られる敵地フェンウェイ・パークでの初登板だった。「野球の神様」と称されるベーブ・ルースがレッドソックスに所属し、二刀流として「4番・投手」で同球場において出場したのは1919年9月20日のホワイトソックス戦。先発投手が4番までの上位打線に名を連ねるのはルース以来、実に約103年ぶりの“快挙”だ。米主要メディアも試合前からホットトピックスとして大きく注目していた歴史的マウンドで大谷は自然体を貫き、躍動した。

 5回には先頭のブラッドリーを追い込みながらもウイニングショットで投じたスプリットが落ち切らず右翼への二塁打を浴びたが、ここからギアを引き上げた。続くブラウェッキを右直、ストーリー、ディバースを連続三振に仕留めると「シャーッ、オリャーッ!!」という雄たけびが敵地のスタンドに大きくこだました。

 6回も一死からマルティネスにグリーンモンスター直撃の二塁打を放たれたが、後続を断ち切ってスコアボードに「0」を並べ続けた。7回にも1安打を許したが、きっちりと無失点で乗り切ってマウンドでの役割を終えた。

 振り返ってみれば、投じた99球中、ストライクは81球、ボールが18球。ストライク率はメジャー自己ベストの81・8%を記録した。

 打っても第2打席で中安打。相手中堅手が太陽の光にさえぎられ、目測を誤って捕球し損ねる形での安打となったが、あと50センチほど伸びていればスタンドインする“惜しい大飛球”となった。8回無死満塁の好機ではグリーンモンスター直撃の適時打を放って、チームにダメ押しとなる4点目をもたらし自らをも援護した。

 1日(同2日)のホワイトソックス戦で痛めた右脚付け根の張りの影響は全く感じさせないほどの暴れっぷり。現代のルース・大谷の大活躍は今後もスケールアップしていきそうだ。

【大谷と一問一答】

――ナイトゲーム翌日のデーゲームだった

 大谷 身体的には正直しんどかったですけど、ある程度早めに帰って、早めに寝て、いい準備ができたかなと思います。

 ――フェンウェイ・パークでの初登板

 大谷 好きな球場なので楽しみにしていましたし、いい印象が持てたのでそこはプラスかな。

 ――今季一番の投球だったか

 大谷 前回よりは良かったかなと思います。

 ――走者を背負った時の投球で気合が入っていたようだが

 大谷 いい打線なので、基本的には一人ひとりを出さないように投げていましたけど、それでも打たれる球もあった。でも(失点)ゼロで来ていましたし、特に最初の方は点をやらないように、スコアリングポジションに行ったら三振を取れるように、というぐらいの気持ちでいました。

 ――ベーブ・ルースも投げていたマウンド

 大谷 初めてだったので楽しみにはしていましたし、このシリーズの最後の試合なので、勝って帰れるようになんとかいいゲームができてよかった。