ポスティングシステムでメジャー移籍を目指し、カブスと5年総額7000万ドル超えの超大型契約で基本合意した鈴木誠也外野手(27)。一部報道ではパドレスとの合意が報じられるなど、日米で情報が錯綜したなか、本人が下した最終決断の〝決め手〟となったのは何だったのか。

 最終的にカブス入りを決めたのは米国時間14日(日本時間15日)のこと。カブスのホイヤー球団社長、ロス監督らとロサンゼルスで会い、直々に〝ラブコール〟を送られ、決断した。

 2008年に中日から同じくカブス入りした福留孝介外野手(現中日)の「4年4800万ドル」(当時でのレートで約57億円)を大きく超える大型契約となったが「条件面」だけが判断の材料ではなかった。

 昨年の移籍表明以降、12月2日には新労使協定の締結に向けたオーナー側と選手会の話し合いが物別れに終わり、約3か月以上メジャー球団がロックアウト(業務停止)で交渉は停滞したが、ロックアウト突入前までに行っていた10球団を超える各球団とのオンライン交渉では、愛理夫人も同席。晴れて入団となれば移籍先となる球団の本拠地の気候や、日本人コミュニティーの生活環境など、細部にわたり、ヒアリングを行うなど〝鈴木家〟としての挑戦を視野に入れていた。

 鈴木一家が重要視したのは、(1)生活環境(2)最低でもポストシーズン進出が見込め、2022年シーズンにおいて、地区優勝・世界一を見込めるチーム(3)温暖な気候の3項目。そんななか「チーム鈴木誠也」が最後に絞り込んだのがサンディエゴ・パドレス、サンフランシスコ・ジャイアンツ、シカゴ・カブスの3球団だった。

 緯度で言うならばシカゴは函館、サンフランシスコは福島、サンディエゴは熊本にあたる。鈴木サイドが交渉の際に重きを置いていた「温暖な土地」なら、パドレスとなりそうだが…。

 米球界関係者によると「最後はカブスの伝統の力だよ。会長も同席するぐらいだから。それだけ本気だったということ」と、入団の決め手となったカブスとの最後の交渉では、球団の総帥でもあるトム・リケッツ会長も同席。メジャーで最も歴史を持つ老舗球団のトップから直々にラブコールを受けたことが、揺れ動く鈴木誠のハートを射止めた。

 カブスは16年以来、6年ぶりとなる世界一へむけての〝切り札〟を必要としていた。メジャー30球団のなかでレッドソックスに次ぐメジャー2番目に古い1914年開場のリグレー・フィールドを本拠地に持ち、米国でも由緒ある歴史を持つカブスで、日本最強の右打者でもある鈴木誠がどんなパフォーマンスを披露するか、今から楽しみだ。