米スポーツサイトのブリーチャー・リポートは11日(日本時間12日)に「2000年代に契約した各球団のベストFA選手」を発表し、日本選手が2人選ばれた。マリナーズはイチロー氏(48)で、レイズは岩村明憲氏(42)だ。

 岩村氏は2006年のシーズン終了後にヤクルトからポスティングシステムを利用してレイズ(デビルレイズ=当時)と3年総額770万ドル(約9億860万円=当時)で契約(4年目は球団オプション)。同サイトは「タンパでの3シーズンは通算打率が2割8分1厘、同出塁率が3割5分4厘で、チーム貢献度の指標のWARは6・6。08年のワールドシリーズ出場したチームの先発の二塁手で先頭打者だった」と解説した。

 レイズは近年こそポストシーズンの常連となっているが、1998年の球団創設1年目から07年までア・リーグ東地区で10年連続最下位の弱小球団だった。しかし、この間にドラフトで入団した多くの有望選手が成長し、徐々に戦力を底上げ。07年に加入した岩村氏が若手を引っ張り、チームの改革にひと役買ったと高く評価されている。

 その後は左ヒザの負傷などもあり満足なプレーができず、09年終了後にパイレーツへトレード。10年のシーズン終盤に解雇されてアスレチックスと契約したものの好成績を残せず、11年から日本に復帰した。

 タンパでは今でも「アキ」として岩村氏の人気は高い。ワールドシリーズ初出場から10周年の18年には本拠地トロピカーナ・フィールドでの試合に招待され、始球式を務めて大喝采を浴びていた。

 イチロー氏は00年オフにポストティングシステムでマリナーズと3年14088万ドル(約15億4000万円=当時)で契約。「日本から移籍した最初の野手で、日本と同等の活躍ができるか疑問を持たれた。しかし、ア・リーグ新人王とア・リーグMVPを手にして疑問に答えた。彼は2000年代の野球の最大のスターの一人」と大絶賛した。

 ちなみにイチロー氏は米CBSスポーツ(電子版)が10日(同11日)に発表した「チーム史上最高のFA契約」でも選ばれている。