第104回全国高校野球選手権大会の第3日(8日)第2試合は奈良の古豪・天理が山梨学院を2―1で破り、2回戦に進出した。エースの南沢佑音(3年)が7安打1失点の完投。県大会から続いた無失点投球は9回に惜しくも途絶えたが、ピンチでもリズムを崩さず、最後まで冷静に118球を投げ込んだ。
188センチ、94キロの巨漢ながら横手投げで、打たせて取る〝大型軟投派〟。130キロ台半ばのストレートと縦横のスライダーを効果的に決め、強打の山梨学院から凡打の山を築いていった。南沢は落ち着きぶりについて「ピンチでドキドキする部分もあったけど、冷静にしようと思った。試合前に高ぶるものもあっても出さずに抑えることを考える。ピンチでも高ぶったらダメ。日ごろから意識しています」と淡々と話した。
ふだんもおとなしい性格で、チーム関係者は「のんびりとして落ち着いている。それがピッチングにいい形で出た」と見ている。
センバツ初戦で星稜(石川)を相手に158球を投じながらも惜敗。その後はヒジの違和感から治療を続け、春大会の期間も投球せずに夏に備えた。県大会で復活すると、無失点投球を続けて聖地に帰還。この経緯についても「性格的にあせらないからじっくりとリハビリができた。夏に間に合えばいいわ、くらいに思っていたんじゃないか。無理して春に投げていたらどうなっていたか…。あわてることなく、こうやればこうなる、と自分の中で考えている」という。
先輩で日本ハム・達孝太投手の背中を追いかけ、力で抑えることを目指したが、結果が出ず、もがいた時期もあった。そんな時に中村監督に腕を下げて投げるように言われ、開眼。スピードよりも抑えることの大切さに気づき、今のフォームと「打たせて取る」スタイルを自分のモノにした。甲子園でもあわてることなく階段を上っていく。












