【センバツ】国学院久我山 〝イチロー改革〟の神髄みせた快進撃「会った次の日からアップの質が上がった」

2022年03月31日 06時15分

尾崎直輝監督と国学院久我山ナイン(東スポWeb)
尾崎直輝監督と国学院久我山ナイン(東スポWeb)

 イチロー改革の神髄とは――。第94回選抜高校野球大会で旋風を巻き起こした国学院久我山(東京)の進撃が止まった。優勝候補の筆頭・大阪桐蔭(大阪)との準決勝(30日、甲子園)で4―13の完敗。それでも尾崎直輝監督(31)は試合直後に選手を集め「勝負は夏だぞ。泣くな。絶対ここに戻ってくるんだぞ」と鼓舞して夏のリベンジを誓った。

 昨年11月にイチロー氏(48=マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)の指導を受けた球児たちが、センバツ初勝利を飾った勢いそのままに8強、4強と勝ち進む姿はセンセーショナルだった。投打に軸となるスター不在のチームは「個の力」を結集。セーフティーバントやエンドランで相手の虚を突き、しぶとく粘り強い野球で躍進を続けた。

 選手たちは口々に「みんなが毎日強くなっている、成長している実感がある」と語る。やはりイチロー氏との出会いが大きかった。指導を見届けた佐藤誠博教頭(野球部特別顧問)は「私どもは『指導を受けた』というよりもイチローさんの『哲学や姿勢を伝授された』という受け止めなんです。一番は打つ、投げる、走るのすべてを全力で取り組む。イチローさんは目の前のことに常に全力で、力をセーブしない。その姿勢に生徒たちは最も影響を受けたと思います」と明かす。

 選手の一人はこう言う。「イチローさんと会った次の日からアップの質が上がったと思います。イチローさんはランニングメニューをこなす際に『ゴールラインにいかに速くたどり着けるかを考えなさい』とおっしゃった。そうすると、ゴール手前で手を抜く選手は自然といなくなるんです。ダッシュ一本にしても目先の一本ではなく、速くなるための一本という意識。そうするとゴールの先まで駆け抜けるんです」。ウオーミングアップを毎日全力でこなす。これまで手を抜いていた分の2歩、3歩が積み重なると力に変わる。準備の質が高まれば練習の質も上がる。この好循環が「うまくなっている」という実感を生み「自信がついた」という部員の証言につながる。

 イチロー改革の神髄を見せた国学院久我山。春4強は序章に過ぎないのかもしれない。

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