インドネシア・スマトラ島で目撃された獣人型UMAの一種が、この「オラン・ペンデク」だ。獣人型UMAというと、ビッグフットや雪男のような大柄なものが一般的だが、このオラン・ペンデクは人間よりはるかに小柄で、体長80センチから1・5メートル程度と、子供程度の大きさなのだ。

 オラン・ペンデクとは現地の言葉で「森に住む背が低い人」を意味するらしい。現地の人々には臆病な小人として認識されているようだ。しかし、食物を得る際には「怪力を発揮する」とも言われている。木をひっくり返すほどの力を持っている。

 体に生えている毛はまばらだが、頭部の毛が長いため人間の毛髪のようにも、たてがみのようにも見える。頭部の毛は背中まで垂れている。体毛は褐色か濃いグレーで、頭部の毛は黒いと伝わっている。

 腕が長いのが特徴的で、足よりも長い。おなかは大きく突き出している。サルに似ているが直立二足歩行をするため「別種の類人猿ではないか」とも言われている。しかし尻尾はないようだ。

 近年の調査では足跡や食事の跡などが発見され、雑食であることも分かっているようだ。昆虫やヘビ、その他に果実や若芽、“果実の王様”ドリアンを好んでいると思われている。

 13世紀の目撃例がこの地域でもっとも古いものだとみられるが、かのマルコ・ポーロの「東方見聞録」(14世紀)にもオラン・ペンデクらしき存在についての記述が残っていると言われている。

 その存在が明らかになったのは1917年。オランダの博物学者であるエドワルド・ヤコブソン博士がインドネシアのスマトラ島で調査を開始し、科学雑誌に遭遇談を寄稿している。この後、1989年になって英国の未確認生物に詳しいジャーナリストであるデボラ・マーティルがオラン・ペンデクを有名にする。

 6月から調査を始め、3か月後に足跡を発見した。長さはおよそ20センチで、4本指のオラン・ペンデクらしき足跡が36メートルほど続いていた。それからしばらくは進展がなかったが、1993年9月、マーティルはついにオラン・ペンデクに遭遇し「どこにもない未知の霊長類」と認定した。これによって世界中の注目を集めることになる。

 2001年には英国の科学者たち3人が足跡を発見し、BBCで放送された。2003年には同国の動物学者やサイエンス・ライターが調査を開始し、足跡の他にオラン・ペンデクらしきものの食べ残しが発見された。

 このような積み重ねによって、オラン・ペンデクは都市伝説や伝承の範囲を飛び出し、科学の対象となったのだ。いつ、どのような存在がオカルトから現実になるかは分からない。その日のために我々は正しい調査と分析を行いたいと思う。