【ザ・ルースターズ/ザ・ルースターズ(1980年)】
日本ロック史上でも別格の存在とされるザ・ルースターズのデビュー盤。とにかく前のめりに激しいビートを鳴らし続ける純度100%のロックンロールである。当時私は高2だったが、パンク登場時と同じ衝撃を受けた。カリスマ的存在の大江慎也を中心に、花田裕之のソリッドなギター、屈強かつダイナミックな池畑潤二のドラム、躍動感に満ちた井上富雄のベース。見た目はヤンキーだが全員が高度な技術を持っていた。
音は乾いていて湿気はゼロ。当時「めんたいロック」と呼ばれた他のバンドとは一線を画していた。むしろ音感はヒリヒリする。オーソドックスなロックンロールとパンクを融合させたスピード感満載のナンバーが冒頭から続く。A①「テキーラ」(ザ・チャンプス=58年)から、ストーンズの1stのようにロックンロールの名曲「カモン・エヴリバディー」や「モナ(アイ・ニード・ユー・ベイビー)」などの名曲群が倍速以上で鳴らされるのは快感だった。
オリジナルのA②「恋をしようよ」は「俺はただお前とやりたいだけ」と叫ぶだけの単純なナンバーだが当時では衝撃的だった。アルバムのハイライトとなるB①「ドゥー・ザ・ブギ」は曲が進むにつれスピードと重みが増してグイグイと圧巻の迫力で迫ってくる。シングル盤B③「どうしようもない恋の唄」はメロディアスながら独特の緊張感に満ちており、速度を上げたレゲエ「ロージー」でアルバムは幕を閉じる。聴き終えた後は、まるでブレーキのない車を全力で走らせた後に降ろされたような緊張感から解放され、ただぼうぜんとするしかなかった。
その後、バンドはニューウエーブ色が濃くなり、大江は精神状態が悪化して、後にバンドを離れる。しかしこのデビュー盤は完璧なロックンロールの名盤である。花田がフロントマンとなった後の名盤については改めて書きたい。












