荒木一郎「MIDNIGHT BLUES/果てしなき闇の彼方に」

 漫画家のちばてつやさんが10月22日に亡くなった。漫画ファンのみならず、アニメファンも心のどこかに穴がポッカリと開いたような寂しい気持ちを感じたはずだ。アニメ化された作品は「ハリスの旋風」「おれは鉄兵」「のたり松太郎」「あした天気になあれ」など数多いが、やはり代表作といったら「あしたのジョー」ということになるだろう。

 今回取り上げるのは1980~81年に全47話が放送されたアニメ「あしたのジョー2」の後期オープニングおよびエンディング曲。オープニングは「MIDNIGHT BLUES」、エンディングは「果てしなき闇の彼方に」で、いずれも荒木一郎が歌った(作詞・作曲も荒木本人)。

 このシングル盤が発売されたのは81年だから“四半世紀”どころか45年も前。なのに、この一切古びたところがないのはいったいどういうことだ? 古びるどころか、このサウンドは当時よりも現在のほうが新鮮に響くのではないか?

「MIDNIGHT BLUES」はタイトル通りのブルース曲だが、奏でられている音は極めて洗練されている。荒木一郎のどこかシニカルな歌声、クールなギターの爪弾き、シンプルなリズムを刻む太いベース、随所にかぶさるオシャレな女性コーラス。夜の都会の片隅をイメージさせるようなアダルトでほろ苦く、どこか優しさを秘めたシティ・ブルースだ。

 シングルB面に収録されたエンディング曲「果てしなき闇の彼方に」も同様。イントロのエレピのフレーズからもうノックアウトされてしまう、これまたアダルトなロッカバラードである。

 このA面とB面のカップリングは、アニソンのアナログドーナツ盤としては最強の一枚と言えるのではないだろうか。