【バズコックス/ラヴ・バイツ(1978年)】
英国パンクロックシーンの真っただ中にデビューしたバンドの2ndアルバム。デビュー盤は77年のEP「スパイラル・スクラッチ」で、カリスマ的存在のボーカリスト、ハワード・デヴォードが中心だったが、ハワードはこの1枚を残したのみで脱退。これまた名バンドの「マガジン」結成へと向かう。同EPの「ボアダム」はパンクのアンセム的名曲だった。
その後はギター/ボーカルのピート・シェリーが中心となるが、ピートのソングライティング技術は、当時のパンクシーンでは突出した存在だった。78年3月の1st「アナザー・ミュージック」も傑作だったが、わずか半年後にリリースされた同作ではピートの才能が一気に開花。メロディアスな曲調と卓越したポップセンスは、パンクの域を超えた「パワーポップの元祖」であり、恋愛について歌うスタイルも画期的だった。
A②「エヴァー・フォールン・イン・ラヴ」、A④「ノスタルジア」ではエッジの効いたギターが優れたメロディーをスピーディーに鳴り響かせる。A面ラストの「シックスティーン・アゲイン」も他のバンドにはなかったセンチメンタリズムと切迫感が同居している。
B面はフォーキーなB②「ラヴ・イズ・ライズ」、ポップ感覚に満ちたB③「ナッシング・レフト」B④「ESP」と続き、最後は変則的なリズムパターンを繰り返しながらも独特のセンスに満ちたスリリングな「レイト・フォー・ザ・トレイン」で幕を閉じる。
アルバムはキャリア最高の全英13位を記録。ピートは81年に脱退(その後復帰=2018年に死去)したが、70年代に残したアルバムはいずれも傑作である。パンクシーンでは異彩を放った優れたグループだった。












