【ニュー・ウェイズ・バット・ラブ・ステイズ/ザ・シュープリームス(1970年】

 前々回にはダイアナ・ロス在籍時の2ndを取り上げたが、1970年にダイアナが脱退した後もグループはメンバーを変えながら佳作を出し続けた。中でもダイアナの代わりにジーン・テレルをリードシンガーに迎えた2作目は名曲「ストーンド・ラブ」が入った傑作。同曲は全米7位を記録し、グループ最後のトップ10ヒット曲となった。また同曲は英国の国民的バンド、ザ・ストーン・ローゼズのライブ開演前のSEとして使用され、一躍再評価を受けることになる。切なくも躍動感に満ちた極上のポップソングである。

 アルバムでは他にもサイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」、ビートルズの「カム・トゥゲザー」、スピナーズの「トゥゲザー・ウィ・キャン・メイク・サッチ・スウィート・ミュージック」などの名曲をカバーしており、オリジナル色は薄いものの全体的には好盤に仕上がっている。全米68位とチャート的には振るわなかったものの、ダイアナ脱退後の最高傑作となった。

 グループはモータウンの看板グループであるフォー・トップスとの共演作「マグニフィセント・セブン」(70年)や「ダイナマイト」(71年)、名作曲家でアレンジャーのジミー・ウェッブを全面的に起用した「ザ・シュープリームス プロデュース&アレンジ・バイ・ジミー・ウェッブ」(72年)と様々な試みでアルバムを出し続ける。いずれも好盤だったがセールス的には全盛期に及ばなかった。

 それでも73年にはスティーヴィー・ワンダー作の「バッド・ウェザー」という名曲を生んだ(全米87位)。結局、激しいメンバーの変遷を経て77年に解散。それでもダイアナ脱退後の作品は小さな宝石のような輝きを保ち続けている。