【ノー・シークレッツ/カーリー・サイモン(1972年)】
キャロル・キングと並んで1970年代の米国を代表する女性シンガー・ソングライターのサード・アルバム。ロンドンで録音され、ミック・ジャガーが参加した「うつろな愛」が全米1位の大ヒットを記録。アルバムも全米1位を獲得した。
初めて聴いたのはまだ中学生の坊主時代であるが、誰でもそうであるように有名な「胸ポチ」の美しいジャケットに妙に興奮した。当初はカリフォルニアの人かと思いきやニューヨークの良家出身。歌声に陰鬱はなく、ほぼ同時期に活躍したNYの女性シンガー、ローラ・ニーロの底のない沼地のような悲しみや「業」は感じられない。とにかく明るく上品で美しいポップナンバーが並ぶ。私はどちらも大好きです。
A面の「愛する喜び」からアルバムのハイライトとなる「うつろな愛」へと続く。B面はアコギが美しい「私を抱いて」で始まり、後に夫となる人気シンガー・ソングライター、ジェイムス・テイラーのカバー「ナイト・アウル」でアルバムはクライマックスを迎える。同曲にはポール&リンダのマッカートニー夫妻がコーラスで参加している。ポップアルバムとしては完璧な作品である。
…と書いているうちに痛ましいニュースが届いた。現在83歳のカーリーは、パーキンソン病と皮膚がんで闘病中で、それでも17年ぶりとなる新譜「カムズ・イン・ウェイブス」がまもなく発売される予定。70年代には誰にも愛された歌姫の復活に期待したい。












