【L.A.ウーマン/ザ・ドアーズ(1971)】
 7月3日はザ・ドアーズのカリスマであるジム・モリソンの命日にあたる。ドラッグが原因で1971年に27歳の若さで夭折した。

 遺作となった本作は全米9位に終わるも、個人的には1stに次いで好きな作品だ。90年代に何度か米国に行った際、慣れないアメ車でハイウエーを飛ばし、クラシックロックのFMで定番となっている「ラブ・ハー・マッドリー」「L.A.ウーマン」が数分置きにかかった時の快感は今でも忘れられない。

 バンド史上、最もブルース色を前面に押し出した作品だが、むしろその方向転換がポップに響くから不思議だ。ラストを飾る「ライダーズ・オン・ザ・ストーム」は曲調も暗く不気味な曲で、ジムの死との関連性が取り沙汰されたが、今聴くとスキャンダラスなにおいは感じられない。むしろバンドの終焉を飾るにはふさわしい曲だったのでないか。

 A面1曲目の「チェンジリング」はもがき苦しむようなジムのボーカルが印象的だ。そして「ラブ・ハー~」からオーソドックスなブルースナンバー「ビーン・ダウン・ソー・ロング」から「L.A.ウーマン」でA面は終わる。B面は「ラメリカ」「ヒヤシンスの家」と静寂観に満ちた曲が続いた後に「ライダーズ~」で幕を閉じる。暗いがなぜか何度も手に取ってしまう盤であり、評論家の評価も高い。このアルバムの3か月後にジムはパリで急逝する。時代背景やスキャンダルを抜きにしても文句なしの名盤である。