〝黒船〟襲来で大混乱だ。昨今のテレビ離れの要因の一つに米国発の「ネットフリックス」の急伸がある。これまでも話題作を数々提供してきたが、今秋には「地面師たち」「サンクチュアリ―聖域―」「幽遊白書」の3コンテンツの続編がクランクイン。割を食うのはテレビで、人気俳優を〝キャスティングできない問題〟が発生しているという。
「キャスティングに苦労している」
そうした声がテレビ各局から聞こえてくる。最たる例はフジテレビだ。昨年の元タレント中居正広氏のトラブルの影響もあり、看板の月9ドラマでもなかなか人選が決まらない。今クールの「ブラックトリック~裁きを操る弁護人~」は最初に山下智久にオファーを出して断られ、次いでSnow Manの佐久間大介にいったが、こちらもNOで最終的にGACKTに落ち着いたとされる。
ただし、これはフジに限った話ではない。ネトフリやアマゾンプライム、ディズニープラスが参入してきたことで、有名俳優がこぞってそちらに流れてしまうケースが続出しているという。
「テレビがオファーを出してもすでにスケジュールを押さえられたりしている。俳優も待遇面などからネトフリなどの仕事を優先する傾向にある」(テレビ関係者)
ギャラが良いことはすでに各所で伝えられているが、それだけではない。
「法令遵守。節度ある稼働時間で、何十時間もぶっ続けで撮ることはしない。休憩もきちんとある。あと細かいところだと、弁当のグレード。テレビはどんどんしょぼくなっているが、外資は3000円くらいの弁当が平気で出てくる。これにテンションがブチ上がる俳優さんは意外と多い」とは芸能プロ関係者。
テレビからの人材流出も顕著だ。一部女性誌が報じたところによると、4月期の月9ドラマ「サバ缶、宇宙へ行く」のプロデューサーや「FNS27時間テレビ 日本一たのしい学園祭!」や「新しいカギ」(いずれもフジ系)などの演出を担当した人物がネトフリに転職したという。
そのネトフリでは今秋に3つの話題作の続編が次々とクランクインする。1つは2024年に公開され、大ヒットした綾野剛主演「地面師たち」の続編。今作では豊川悦司演じる地面師ハリソンのルーツに迫る。
2つ目は角界を舞台に、一ノ瀬ワタルやピエール瀧らが出演した「サンクチュアリ」の新作。そして3つ目が実写版「幽遊白書」の続編だ。主人公の浦飯幽助は北川匠海が演じ、ラストの「魔界統一トーナメント」まで描かれる予定だ。
人気コミック原作だけにキャスティングは大きな話題となる。配役については伏せるが、新たに小栗旬や金子ノブアキ、森山未來、山本美月ら豪華キャストが集結。特殊メイクにより〝魔界の住人〟となる。正式発表されれば、賛否両論含めて、反響を呼ぶはずだ。
これら3作はテレビでは到底無理な予算とスケールで制作される。〝黒船〟の本格進出は日本のテレビ局にとって脅威でしかない。
前出テレビ関係者は「もっか人気俳優の争奪戦が起きています。日本のテレビ局は早め早めのオファーを心掛けており、ある局は来年放送のドラマをすでに撮り始めています。1年後はおろか、2年先のスケジュールまで決まっている俳優もいるそうです」と話す。
現在放送中のTBS系「VIVANT」がネトフリにも負けないスケールで気を吐いているが、それがすべてのドラマで可能はわけではない。
「気付けばテレビはバラエティー番組だらけになる未来も見える」(同)というから深刻だ。成すすべはあるのか――。













