ヒットドラマを手掛けてきたフジテレビの40代プロデューサーが映像配信業「ウォルト・ディズニー・ジャパン」(以下WDJ、東京・港区)に転職した。フジは一連の問題で社内改革中だが、有力社員たちが次々と好待遇で外資系映像配信会社などに引き抜かれる事態になっている。

 フジのプロデューサーだった渡辺恒也氏が退社し、WDJに転職したことが15日明らかになり、フジ社内に衝撃が走った。渡辺氏は東京大卒で、2005年に入社。「救命病棟24時 第5シリーズ」(13年)のほか、「HERO」(14年)、「教場II」(21年)、「風間公親―教場0―」(23年)と俳優の木村拓哉のドラマなどでヒットを飛ばしてきた。

 WDJはディズニー系映像配信業。サブスク配信サービスのディズニープラスでディズニー、ピクサー、マーベルの作品などを配信している。

 フジは、元タレントの中居正広氏による女性トラブルに端を発した一連の問題で世間的に批判され、社内改革に取り組んでいる。そのさなかに渡辺氏をはじめ、有力社員が次々と退社。WDJのほか、ネットフリックスなど外資系映像配信会社に転職したり、独立して個人で映像配信業を展開したりしている。

 フジ社員の話。

「WDJやネトフリなど転職話があった(フジ)社員たちに聞きました。外資系映像配信会社は待遇面が非常に良く、提示された年収は3000万円ほどだと。ウチ(フジ)の2倍超で、とても太刀打ちできません」

 フジ社員の退社が続く背景には、一連の問題による社内不信がくすぶっているほか、テレビ業界ではSNS上での炎上やスポンサーとのしがらみなどがあり、番組制作の自由度が下がったためといわれてきた。それに加え、外資系映像配信会社から好待遇で秋波を送られれば、転職してもおかしくはない。

「ドラマやバラエティー番組で結果を残してきた30~40代の退社が続いていて、社内では『〝草刈り場〟になるのでは』という声も出てきました」(前出社員)

 サッカー界や野球界では、一つのチームが有力選手を次々と他のチームに移籍で引き抜かれることを〝草刈り場〟にされるといわれる。それと同様のことがフジで起きかねないというわけだ。

 フジのアナウンサーを巡っても退社が相次いでいる。渡邊渚アナ(当時)の24年8月の退社から竹内友佳アナの今年7月上旬の退社予定まで、ここ2年で11人が退社(定年退職含む)することになるのだ。

 制作スタッフやアナの流出が続けば人手不足に拍車が掛かり、番組のクオリティーに影響が出そうだが、果たして――。