【フジテレビ中居騒動の深層③】元タレント・中居正広氏(52)の女性トラブルに端を発する一連の問題で、フジテレビが大きく揺れている。

 フジと親会社のフジ・メディア・ホールディングス(HD)が設置した第三者委員会からは調査報告書で「一連の対応は、経営判断の体をなしていない」「セクハラを中心とするハラスメントに寛容な企業体質」などと斬り捨てられた。約40年にわたって巨大権力を握った日枝久取締役相談役が退任するまでに追い込まれた。

 フジはここまで大きな問題になるとは考えていなかっただろう。中居氏による元アナウンサーのAさんへの性暴力があった2023年6月2日、同局編成幹部B氏が直接的に関与していないと認識し、強気な姿勢を取ったからだ。

 ただ、それも第三者委に「『業務の延長線上』における性暴力だったと認められる」とされた。今年1月に開いた記者会見は記者クラブ限定の“クローズド会見”で“失策”を重ね、取り返しがつかない状況を招いた。

 スポンサー離れは深刻で、1月にフジ・メディアHDが公表した業績見通し修正によると、今年3月期広告収入は従来予想から233億円減。

 人材流出も深刻だ。実力派だった椿原慶子、永島優美の両アナが3月いっぱいで退社し、エース候補の岸本理沙アナが6月いっぱいで退社する。会社の将来を悲観した中堅・若手社員を中心に転職活動が活発化しており、フジ側は待遇改善で引き留めようとしている。

椿原慶子アナ(左)と永島優美アナ
椿原慶子アナ(左)と永島優美アナ

「若手を中心に支給される『クリエイティブ手当』『ライフサポート手当』が計1万円アップされ、月額平均では5万円以上支給されることになった。ゼロ回答も覚悟していたベアも数千円アップ。一連の対応で批判を浴びる経営陣が当面の間、減給を決めた一方で、社員は年収ベースで数十万円アップする。会社の再生を信じて転職活動をやめる人も少なくないはず」(フジ社員)

 役員ら以外の社員を対象に、通常の夏・冬ボーナスとは別に3月末に支給される期末ボーナスは昨年の2・5倍以上の約2か月分が支給されたという。

 断罪された社内風土を改めるべく、清水賢治社長をトップに据えた「再生・改革プロジェクト本部」や、20~40代の中堅・若手社員からなる「再発防止・風土改革ワーキンググループ」を立ち上げた。

「清水社長は社員と意見交換などをすることを『対話』と表現し、自ら報道から営業など全26局を回り、『対話する』と宣言している。今月中には全局めぐりを終わらせる覚悟といいますが、清水社長があまりに連呼するので、改革プロジェクトメンバーの間で『今日は“対話”したか?』などと軽いジョークが飛んでいる」(同)

〝フジテレビのドン〟と言われた日枝久氏
〝フジテレビのドン〟と言われた日枝久氏

 改革プロジェクトメンバーの動きをめぐっては局内で不穏なムードがくすぶる。各局で数人が選抜されているというが、局内の制度や風土など問題点を探し出す姿が“密告者”のように映り、警戒されることがあるという。

「メンバーは比較的、これまで仕事先にガッツリと関わってこなかったり、トラブルが少なかったりした社員が選ばれている。前線でバリバリと仕事をしてきた社員の中には『急に偉そうに』などと不満をこぼす者もいる」(同)

 フジは果たして再生できるか。