【ザ・ジャム/セッティング・サンズ(1979年)】
英国の国民的バンド、ザ・ジャムの4thアルバムにして最高傑作。前作「オール・モッド・コンズ」(1978年)も2ndから大きく音的進化を遂げた傑作だったが、本作は名曲揃いで評論家やリスナーの評価も高く、過去最高となる全英4位を記録した。
ストーカー的ファンから自宅への電話に拒否感を示したA①「電話のあの娘」で幕を開けると、幼なじみとの絆を歌ったA②「引き裂かれぬ仲」、家庭に埋没する主婦の心境を描いた「プライヴェイト・ヘル」、ザ・フーへのオマージュとも思えるA⑤「不毛の荒野」などポール・ウェラーの進化した歌詞と、優れたメロディーを持つ曲が強烈なビートで鳴らされる。
B面もB①「燃え上がる空」から役人根性をシニカルに歌ったB②「スミサーズ・ジョーンズ」、そしてバンド初のトップ10ヒットとなった傑作B④「イートン・ライフルズ」(全英3位)と続き、最後はザ・フーもカバーしたマーサ&ザ・ヴァンデラス「恋はヒート・ウェイヴ」でアルバムは幕を閉じる。まさにモッズにささげたわずかなスキもない傑作に仕上がった。
翌年にはシングル「ゴーイング・アンダー・グラウンド」と「スタート!」が全英1位を記録して、ザ・ジャムの地位は不動のものとなった。しかし人気がピークに達した82年、ポールが新たなスタイルを掲げてスタイル・カウンシル結成へ動いたため、バンドは解散する。周囲の熱い要望にもかかわらず、2度と復活することはなかった。本作同様、最後まで潔さと真摯な姿勢を徹底的に貫いたバンドだった。












