大阪府警は22日までに、中国からの輸入が禁止されている鶏肉や豚肉のソーセージ約21キロを密輸したとして、家畜伝染病予防法違反の疑いで、中国籍のアルバイト孫楠楠容疑者を逮捕した。中国産の肉製品は、アフリカ豚熱(ASF)や口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザなどの侵入を防ぐため、原則として輸入が禁止されている。販売用はもちろん、個人消費用でも認められない。

 容疑者は「ソーセージに肉が含まれているとは知らなかった」と否認しているという。

 府警によると、容疑者が中国の通信アプリ「微信(ウィーチャット)」で「日本に旅行に行く」と発信したところ、氏名不詳の指示役から200人民元(約4800円)の報酬を提示され、密輸の闇バイトを持ちかけられたという。

 逮捕容疑は指示役と共謀して15日、鶏肉や豚肉を主原料としたソーセージ約21キロをスーツケースやリュックサックに隠し、中国・上海から関西空港に密輸した疑い。入国時の手荷物検査でソーセージが見つかった。

 ソーセージを密輸して、どれだけもうかるのか疑問だが、そもそもカネの問題ではないのかもしれない。

 中国事情通は「中国の一部の地域では、腊肉(ラーロウ=塩漬け・乾燥肉)や腊腸(ラーチャン=乾燥腸詰め)、香腸(シャンチャン=ソーセージ)を作る習慣があります。日本で暮らす中国人にとって、故郷の味は単なる食料ではなく、家族との絆や思い出を呼び起こすものです。カネを出しても故郷と同じ味が手に入るとは限らず、金銭では測れない価値があります」と話す。

 今回の容疑者がこうした食文化を背景に密輸を引き受けたかどうかは分からない。しかし、日本国内に中国産肉製品の需要があることは確かなようだ。