最後のチャンスをモノにした。愛知・名古屋アジア大会の卓球男子団体決勝(24日、豊田市総合体育館)、日本が8連覇中の中国を3―2で破り、60年ぶりの金メダルを獲得。〝黄金時代〟の構築へ、確かな一歩を踏み出した。

 負けたら終わりの第4試合でエース・張本智和(23=トヨタ自動車)が躍動した。世界ランキング1位の王楚欽をストレートで圧倒。チームに流れを引き寄せると、最終第5試合は松島輝空が温瑞博を下し、卓球界の歴史に新たな1ページを刻んだ。張本は「金メダルが何よりのご褒美なのでとにかくうれしい」と満面の笑みを浮かべた。

世界1位の王楚欽
世界1位の王楚欽

 卓球界では中国が長きにわたりトップをけん引。近年は実力差が縮まったものの、牙城を崩すことができなかった。かねて中国超えを目指す上で、張本は今大会が絶好の機会と分析。以前「特に団体戦で中国に勝つことがここ10、20年はなかった。今大会で中国に勝つことで、今後の世界選手権、アジア選手権、五輪で胸を張って優勝を目指せると思う。そのためのきっかけを今大会で絶対つかまなきゃいけない」と語っていた。

 世界でのイメージは絶対王者の中国を、日本などの他国が追いかける構図。その風潮を今大会で打ち破ったことに意味がある。「1回どんな形でもいいので、団体で中国に勝ち切ることができれば、実力も大事だけど、流れというか、世界の見る目も変わってくる。卓球ファンの意識が『中国よりも日本が強い』に変われば、どこかの1点、2点につながる。今まで中国が与えてきたプレッシャーが逆になると思う」と力説した。

 団体での結果はもちろん、個人としても大一番で王楚欽に勝ったことはプラスだ。「今日の3―0はできすぎだけど、個人戦からまた再スタートになる。勝ち続けることがロサンゼルス五輪での金メダルにつながってくる」ときっぱり。団体、個人ともに絶対王者への道を駆け上がる。