怪談家の稲川淳二(79)がゼネラルプロデューサーをつとめる「稲川淳二の稲川芸術祭」と、渋谷の若者文化共創拠点「スポンジ」によるコラボイベントが9日、都内で開催された。イベントには稲川をはじめ、同芸術祭のイメージソングを手掛けたピアニストの西村由紀江、2023年度のグランプリ「稲川賞アワード」を受賞したパラアーティストの中村優志さんらが出席した。

思い思いの作品を描いた参加者
思い思いの作品を描いた参加者

 21年の東京オリンピック・パラリンピック開催を機に発足した「稲川芸術祭」は、障害がありながらも創作活動を続けるパラアーティストの作品を紹介する取り組み。25年までの5年間で2182作品もの応募が集まるなど広がりを見せている。

 この日は「たのしいおばけ!ゆかいなおばけ!」をテーマに、中村さんらパラアーティスト10人とスポンジメンバー10人の計20人がアートワークセレクションに参加。色鉛筆や絵の具を用いて思い思いの作品を描き上げた。

 中村さんの描いた絵がプリントされたTシャツ姿で登場した西村は、自由な発想で描かれた作品の数々に感銘を受けた様子。制作の様子を見守った稲川も「描くということは自由で、人間は素直な気持ちになったほうが勝ちなのかなと思う。無欲の魅力がいい」と目を細め、グランプリ受賞者の中村さんを「彼女の絵の才能はすごい!まさに天才ですよ」と大絶賛した。

 後半の取材会では、AI技術を活用した稲川のデジタル孫「稲川じゅん」による紹介動画や、過去作品1897点が鑑賞できる「稲川オンライン美術館」、入賞作品を各種グッズ化して販売する「稲川アートコレクションズ」などもお披露目された。

 話題が今年で34周年を迎え、全国39会場57公演を行脚中の「怪談ナイト」に及ぶと、現在78歳の稲川は「アタシはあまのじゃくでひねくれもの。協力してくれる皆さんや楽しい仲間がいるし、好きなことをやっているから元気」とパワーの源を語った。さらに、早くも来年の80歳(傘寿)を見据え、「『笑える怪談、すごく怖い怪談、優しい怪談』を語れるうちにやろうと思っている」と構想の一端を明かした。

 なお、21日、22日に東京国際フォーラム ホールCで開催される「怪談ナイト」のロビーでは、「稲川芸術祭」のパネル展も併せて実施される。