岐阜・本巣市のケーキ店「さんらいず」の店舗兼住宅から出火し、男女3人が死亡した事件で、当時現場にいた11人のうち、病院搬送後に死亡した葬祭業の林寛至さん(70)を除く10人は、中学時代の同学年だったことが7日、分かった。県警は林さんが事件に関与した可能性があるとみて調べているが、なぜ旧交を温める場が一転、血と炎の海に包まれる惨劇の場と化してしまったのか。

 火災は5日午後9時ごろ発生。2階建て約300平方メートルが焼け、一酸化炭素中毒で死亡した女性と、腹部を刺され失血死した男性が現場で見つかった。ほかに林さんを含む3人が搬送された。林さんは衣服の大部分が焼けた状態で、建物から離れた店舗駐車場の車の運転席にいるところを発見され、搬送後に死亡した。

 当時は閉店後で、店主の女性を含む10人の同窓会グループの集まりが開かれていた。こうした集まりは年に数回、開かれていたという。

 最大の謎は、11人がたまたま集まってトラブルになったのではなく、定期的に集まっていた10人の同窓会グループのもとへ、招かれていなかったとみられる林さんが11人目として現れた点だ。

 元警察関係者は「林さんは特定の人物に用事があって来た可能性を考えるべきでしょう。林さんは店主の女性と数年前から『付き合いがあった』と報じられています。また、亡くなった男性は腹部を刺されています。林さんが女性に会いに来たのか、死亡した男性に会いに来たのかという2つの可能性が考えられます。ただし、林さんが男性を刺したという情報は現時点ではありません。男性がトラブルを仲裁しようとして巻き込まれた可能性も考えられます」と指摘する。

 そして、事件の経緯を解明する大きなカギとなるのがガソリンだ。誰が、どこから持ってきたのか。これが判明すれば、計画的な事件だったのか、現場で突発的に事件へ発展したのかを判断する重要な材料となりそうだ。

 現場にいた人物の誰かが、事件直前にガソリンを購入していたことが防犯カメラや購入記録などから確認されれば、事前に準備していた可能性が浮上する。一方、ガソリンがもともと店舗などに保管されていたものだった場合は、現場で突発的に使用された可能性も残る。

 また、林さんが発見された状況も謎を残す。林さんは建物内ではなく、駐車場に止められた自身のものとみられる車の運転席で、衣服の大部分が焼けた状態で発見されている。

「ガソリンは気化しやすく、着火した際に炎が急速に広がり、まいた本人にも引火する可能性があります。仮にそうしたことが起きていたとすれば、燃えた衣服を脱ぎながら建物を離れ、車までたどり着いたという経過も考えられます。ただし、単純に火災に巻き込まれて衣服が焼けた可能性もあり、現段階で断定はできません」と同関係者は話している。