日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は4日、来年春の福岡県議選で県議会改革を公約にすると発表した。福岡県議会は正副議長ポストをめぐる〝カツアゲ〟疑惑や高額な海外視察問題で揺れている。身を切る改革は福岡でも受け入れられるのか。

 具体的には「議員の定数と報酬の3割削減」と「海外視察の禁止」を掲げる方針。吉村氏は「現金が飛び交うのは明らかにおかしい。政治家の身分に切り込むべき」と主張した。

〝カツアゲ〟疑惑は福岡県の吉松源昭県議が2020年の議長就任前に自民党県議団幹部に約2000万円を支払ったと証言したことで全国的な騒動となった。幹部らは受け取りを否定しているが、福岡県民や国民の不信感をぬぐうにはいたっていない。

 さらなる騒動もあった。7月28日に最大震度7を観測する令和8年熊本地震が発生したが、同日に福岡県自民党県議団会長の松尾統章県議が政治資金パーティーを開催。県政報告会を兼ねた〝ビアパーティー〟だったという。

 特に批判されたのはパーティー後の松尾氏の釈明だった。松尾氏は「正直やってよかったと思っている」と発言。これが県民の怒りを買い、3日に会長辞任の意向を表明することになった。

 一方、高額の海外視察問題では福岡県が第三者委員会の設置を決めており、調査対象に県議会の海外視察も含めることになった。

 海外視察問題や〝カツアゲ〟疑惑の中心にいるのが〝県議会のドン〟こと蔵内勇夫議長だ。地元メディアでは「蔵内議長と距離を置く動き加速」(3日のRKB毎日放送)などと報じられるほど求心力が低下しているようだ。

 自民党が弱っている今だからこそ他党には勢力拡大のチャンスになる。維新は福岡県議会に1議席を持っている。2023年4月の県議選で当選した塩生(しおにゅう)好紀県議は4日、吉村氏の発表を受けてXに「海外視察含め福岡県議会改革は公約の大きな柱になります」「税金の使い道を正し、無駄を是正していく。県民に何がもたらされるかきちんと説明し、議論しながら公約を決めていく。他会派からはさっそく反発の声が続出…」と意気込みを投稿している。

 自民党の福岡県議らに不祥事発覚が相次いだのは、維新がリークしたのではないかと疑う声がSNSにはあった。大阪と福岡が副首都をめぐりライバル関係にあるから、福岡つぶしになるというわけだ。しかし、維新が福岡進出に成功すれば、ライバルではなくなる。永田町関係者は「さすがに維新にリークをするような力はありません。考えすぎです」と否定しつつ、「議会改革を公約に掲げることは県民の期待と一致しているでしょう」と評価した。

 いずれにしても、福岡県議会は波乱含みの様相だ。