エースがチームを救った。北中米W杯決勝トーナメント1回戦(1日=日本時間2日、米国・アトランタ)、イングランドがコンゴに2―1で逆転勝ち。優勝候補が底力を見せつけた。試合序盤に先制を許す苦しい展開から、エースで主将のFWハリー・ケイン(32=バイエルン・ミュンヘン)が後半に2ゴールの大活躍。ベスト16進出を決めた。
前回2022年カタール大会ベスト8のイングランドは、開始わずか7分でまさかの失点。いきなりビハインドを背負う苦しい展開となった。18年ロシア大会得点王で1次リーグ3得点のケインは1トップで先発出場したが、なかなかシュートチャンスが訪れない。前半43分に味方のスルーパスを受けて抜け出すと、相手GKリオネル・ムパシ(ルアーブル)と交錯。ビデオアシスタントレフェリー(VAR)が介入するも、反則なしでPKとはならなかった。
試合は0―1のまま後半へ突入。トーマス・トゥヘル監督は流れを変えようと、同15分に両ウイングを入れ替えた。この策が功を奏し、途中出場のFWアンソニー・ゴードン(ニューカッスル)が同30分、ペナルティーエリア左からクロスを送り、ケインのヘディング弾で同点。エースが試合を振り出しに戻した。
ケインの活躍はここで終わらない。同41分にはドリブルでペナルティーエリア中央に進入。そのまま右足で強烈なシュートを放ち、決勝点を挙げた。この日の2ゴールで今大会5得点をマーク。W杯通算13得点に伸ばした。
劇的勝利を飾ったエースは「本当に素晴らしい気分だ。なんてクレイジーなゲームだ!」と感情を爆発させた。試合終了後には、円陣の中でケインがチームメートに熱く語りかけるシーンもあった。イングランドの主将は、この場面について次のように説明した。
「この瞬間を楽しんでほしいと伝えた。イングランド代表としてプレーしていると、勝つことが期待される試合では、本来あるべきように喜べないことがある。でも、私たちも他の国と同じだ。次に進んだが、この瞬間を楽しんでほしい。W杯に出場しているのだから。私たちは一瞬一瞬、わずかな差を争っている。選手たちには、この瞬間を楽しみ、ファンとこの瞬間を満喫してほしい」
1次リーグ第2戦のガーナ戦ではフル出場ながら無得点に終わった。それでも、トゥヘル監督の信頼は揺るがない。この日の活躍に「彼はどんどん良くなっているよ」と称賛した。
次戦(5日=日本時間6日、メキシコ市)は開催国メキシコと8強進出をかけて激突する。1966年の母国開催以来2度目の優勝を目指すイングランドが、アウェーの逆境も乗り越える。












