廣重綾「光る道」

“ソニック・ザ・ヘッジホッグ”といえば、セガの看板キャラクターであり、世界中で大ヒットしたゲームシリーズでもある。近年は日米合作の映画も公開されるなど様々なメディアで展開されており、これまでに何度かアニメ化も実現している。

 2003年から04年にかけて全52話が放送された「ソニックX」もその一つ(後に第2期も制作された)。今回ピックアップするのは、第14~39話でエンディングテーマに起用された「光る道」だ。

 歌っている廣重綾は、これがデビュー曲。プロデュースおよび作曲・編曲は松任谷正隆で、スケールの大きなバラード曲に仕上がっている。

 特筆すべきは、この時の廣重綾の年齢。なんと、10歳である。いわゆるキッズシンガーでも、歌がうまいアーティストはたくさんいる。また子供とは思えないくらい大人っぽい歌唱力だったり、逆に子供の声ならではのかわいらしさが魅力だったり…。

 でも「光る道」で聴かれる歌声はそのどれとも違う。まず、子供っぽい無邪気な声ではない。予備知識なしで聴いたら、たぶんまだ10歳だとは気づかないだろう。かといって、大人顔負けの本格的な歌いっぷりかというと、そういうわけでもない。特にサビのメロディーあたりの彼女の歌声のピュアな魅力は、いくらうまいシンガーでも大人では出せないのではないか?

 子供らしさを売りにするわけではなく、大人のようにちゃんと歌える10歳のシンガーが、10歳でなければ出せない声で感動的なメロディーを届ける――そう考えると、この「光る道」っていくつもの奇跡が重なって生み出された名曲なのかもしれない。