【米ニュージャージー州イーストラザフォード16日(日本時間17日)発】エースが躍動した。北中米W杯1次リーグI組初戦、2018年ロシア大会優勝のフランスが、セネガルを3―1で下した。後半に22年カタール大会得点王のFWキリアン・エムバペ(レアル・マドリード)が、2ゴールの大活躍。これで代表通算58得点とし、FWオリビエ・ジルーが持っていたフランス代表の歴代最多得点記録を更新した。2大会ぶりのVへ、上々の白星発進となった。

先制点を決めるエムバペ(ロイター)
先制点を決めるエムバペ(ロイター)

 フランスは前半からチャンスをつくるが、得点に結びつかない。待望のゴールが生まれたのは後半21分だった。FWミカエル・オリセ(バイエルン・ミュンヘン)のスルーパスに、エムバぺがペナルティーエリア中央から右足で合わせ、待望の先制弾。同37分には、途中出場のFWブラッドリー・バルコラ(パリ・サンジェルマン)が、相手キーパーとの1対1を冷静に決めてリードを2点に広げた。

 試合終了間際には、セネガルのFWイブラヒム・ムバイ(パリ・サンジェルマン)のゴールで1点を返された。しかし、直後にエムバぺが豪快なミドルシュートを決めて勝負あり。これでW杯通算14得点目とし、歴代最多の16得点を誇るミロスラフ・クローゼ(ドイツ)まで2得点に迫った。

 今大会は強豪スペインが、1次リーグ初戦で格下カーボベルデに引き分ける波乱もあった。試合後にエムバぺは「W杯でいいスタートを切ることは重要。ほかのチームを見てもわかるように、初戦を勝利で飾るのは難しい。今日の試合が簡単なものではないのは承知しているけど、いつでも得点を挙げて試合の流れを変えることができるとわかっている。それが力になっている」と、エースの自負をのぞかせた。

 カタール大会ではアルゼンチンとの決勝でハットトリックを達成。しかし、延長戦でも3―3で決着がつかず、PK戦の末に敗れた。

「私は自国の歴史に名を刻むため、そしてチームを決勝に進出させ、W杯を制覇するためにプレーしている」と力説。「これはグループリーグの初戦に過ぎない。(ファンの)人々が熱狂したり、批判したりするのは当然のことだと思う。私たちは常に冷静さを保ち、やるべきことに淡々と取り組まないといけない」と頂点取りへ慢心はない。

 ロシア大会でチームを優勝に導いたディディエ・デシャン監督は、今大会を最後に退任することが決まっている。指揮官は「初戦は少し不安もあり、緊張していた。圧倒的な勝利ではなかったけど、セネガルという強豪を相手に勝つことができた」と手応えを口にした。

 優勝候補の本命がW杯トロフィー奪還へ上々のスタートを切った。