バンコク首都警察は、寺院の寄付箱から現金を盗んだとして、窃盗の疑いで警備員の男(43)を逮捕した。男は犯行前に寺院の塀を乗り越え、頭に布をかぶった上で、自分の姿を見えなくするための〝隠身(いんしん)の呪文〟を唱えたと供述している。現場では誰にも見つからなかったが、防犯カメラにはその一部始終が記録されていた。タイ国家警察庁が運営するテレビ局「ポリスTV」が先日、フェイスブックで伝えた。

 男は5月30日、バンコクの有名な寺院ワット・ポーの塀をよじ登って侵入し、寄付箱を持ち去って講堂(法話堂)の裏で破壊し、中に入っていた現金約9000円を盗んで逃走した。しかし、防犯カメラの映像から6月3日に逮捕された。

 注目すべきは逮捕後の供述だ。男は「自分も罪や因果応報が怖かった」と話し、犯行前に手を合わせて寺院の守護霊に許しを請い、さらに自分の存在に誰も気付かなくなる姿隠し・身隠しの呪文〝隠身呪文〟を唱えたという。

 しかし、防犯カメラには、白い布を頭に巻いた男が許しを請い、呪文を唱え、こっそり寄付箱を運び出す様子がはっきりと映っていた。

 男は「生活に困窮し、家賃を払うお金がなかった」と供述している。盗んだカネは、家賃の支払いや生活費に使ったという。