中国外務省の林剣副報道局長は1日、米紙ニューヨーク・タイムズの北京支局の記者が2月に中国から追放された問題について「ニューヨーク・タイムズが台湾当局による『台湾独立』分裂論の拡散に場を提供し、公然と台湾を『国家』と呼んだ」と批判した。

 また、林氏は「偽って取材を行った確かな記録があり『外国常駐報道機関および外国人記者取材条例』に違反した」と主張し、法に基づき在留許可を取り消したと強調した。「中米間のメディア問題については、経緯も是非も明白であり、その根本原因は米国が一方的に問題を引き起こし、メディア問題を政治化したことにある」と米側を非難した。

 中国は外国人記者の国内での取材活動や生活に便宜を提供しており、近年は柔軟な対応を示して、多くの米国人記者に査証発給の便宜を図ってきたと説明。逆に、中国人記者による米国での取材申請は承認されることは極めて少ないとも不満を示した。

 しかし、ニューヨーク・タイムズ紙によると、中国には米メディア所属の外国人記者が二十数人いるとみられている。習近平国家主席が権力を集中させたこの10年間で、多くの米メディアは中国での取材拠点を大幅に縮小したという。同紙の中国駐在記者は、最盛期の12人から現在1人になったとしている。

 米国内で活動する中国人記者は約100人で、第1次トランプ政権下で相互規制が始まる前の約160人から減少している。

 米国事情通は「米中が相互に非難しています。トランプ大統領が黙っているわけはなく、5月29日に対抗措置として中国国営・新華社通信の米国在住記者のビザ(査証)を取り消しています。ただ、米中の大きな違いは、米国の措置は主に中国国営メディア、中国政府系記者を対象としています。トランプ政権の高官やブレーンは、中国国営メディアを中国政府のプロパガンダ機関とみなしているからです。中国は、ニューヨーク・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、ワシントン・ポストなど民間報道機関の記者を締め出しています」と指摘した。