ロサンゼルスの勢力図は、完全に塗り替わった。ドジャース専門メディア「ドジャース・ウェイ」が、大谷翔平投手(31=ドジャース)の移籍をめぐって古巣エンゼルスには耳の痛いデータを突きつけた。
2023年シーズン終了後にFAとなった大谷は、同年12月にドジャースと10年総額7億ドル契約(当時のレートで約1015億円)で契約。うち6億8000万ドル(同約986億円)を後払いとする異例の形で、同じロサンゼルスの名門へ渡った。
その選択が「最適解」だったことは、勝敗だけではない。米データ会社「OptaSTATS」によれば、大谷がドジャース移籍後に敬遠四球で歩かされた直後、後続打者は打率4割5分7厘、出塁率5割3分5厘、長打率7割1分4厘を記録している。ムーキー・ベッツ内野手(33)、フレディ・フリーマン内野手(36)、ウィル・スミス捕手(31)らが控える打線では、大谷を歩かせること自体が相手ベンチの自傷行為になりかねない。
対照的なのがエンゼルス時代だ。大谷の後続は同じ場面で打率1割4分8厘、出塁率2割7厘、長打率1割6分7厘に沈んだ。相手からすれば、大谷を避ければ傷口を最小限にできた。記事が皮肉交じりに強調したのは、この残酷な差である。大谷がアナハイムを去る理由は数字だけでも十分だったが、数字だけではなかった――。そんな含みすら、古巣にはこたえる。
両軍の現在地も明暗を映す。ドジャースは23日(日本時間24日)、敵地サンフランシスコでジャイアンツを3―0で下し、同日現在17勝8敗でパドレスと並ぶナ・リーグ西地区首位。一方のエンゼルスは22日(同23日)に本拠地でブルージェイズを7―3で破ったとはいえ、12勝14敗でア・リーグ西地区3位にとどまる。大谷自身も今季ここまで打者として5本塁打、11打点、OPS.812。投手としても4先発で防御率0.38と、二刀流の存在感を示している。
エンゼルスは最近、エンゼルスタジアム60周年を祝う映像で球団史を振り返りながら、大谷を登場させなかったとして波紋を呼んだ。映像から消しても記憶からは消せない。背番号17は今、フリーウェイの先で常勝軍団の象徴になっている。古巣にとって歯がゆいのは、大谷を失った事実ではない。手放した答えが大谷本人にとっては、あまりにも「正しすぎた」ということだ。












