大人気ブロガーが次々と発売される新作カップめんを徹底解説する好評企画。50年前のレシピを再現した懐かしい味から創意工夫に富んだ革新的な一杯まで、今回も、話題性満点の5アイテムをお届けします!

【あえて不完全な旨みを追求】日清食品「日清のどん兵衛 きつねうどん クラシック」(236円+税)

 当時はこれがうまかった(笑)そんな自社製品への皮肉とも取れる、大胆な宣伝文句で話題をさらった「どん兵衛」の発売50周年記念商品。件のキャッチコピーはSNSで賛否を呼んでいるが、そもそも研究所の奥深くに“半世紀前のレシピが残っていた”という事実に驚きを隠せない。

あのペラペラが…
あのペラペラが…

 50年前の味わいを再現しているのだから、全体の完成度は現行の定番品に軍配が上がる。しかし、それを最新の製造設備でやってのけた日清食品。なかでも1994年から2000年の間にブランドを支えていた、あのペラペラとした食感を彷彿とさせるフライうどん。これを一口すすった途端、漠然とエモい感情になったユーザーは筆者だけではないだろう。

 あえて不完全な旨みを追求した、メーカーの執念すら感じる異色作。洗練された現代の味覚には物足りないかもしれないけれど、かつて夢中に寄り添った、あの熱量は少なからず感じられるはずだ。

【知らない者には新しい発見】日清食品「日清のどん兵衛 天ぷらそば クラシック」(236円+税)
 

 同時に発売された「天ぷらそば」もまた、その仕上がりから“いつかの記憶の扉”をこじ開けてくれる。きつねうどん同様、現行品との比較では洗練さに欠けるといわざるを得ない。だが、この一杯にも当時の開発陣が追い求めた「そば」の原風景が宿っているように思う。

 特筆すべきは、ボソボソとして洗練さに欠ける、あのチープな食感だ。現代の技術で復元された不完全なそれは、往年を知る者には懐かしく、知らない者には新しい発見となるだろう。また、あえて先入れにした天ぷら特有の魅力も見逃せない。

 単なる再現にとどまらず、50年の歴史をアーカイブした日清食品。この2つの復刻は、ただの記念商品ではない。半世紀前の情熱と現代の最新技術が真っ向からぶつかり合った、ひとつの歴史的証言である。

あのボソボソが…
あのボソボソが…

 それにしても、発売当初から熱湯を注ぐだけで食べられる、即席カップめんとしての基本的なスペックは変わっていないのだなと。その普遍的なシステムにも、あらためて驚かされた。

【全く異なる世界観を構築】日清食品「WAGYUMAFIA ULTRA U.F.O. WAGYU UMAMI FLAVOR」(348円+税)

 堀江貴文氏と浜田寿人氏が共同で設立し、世界中の食通を熱狂させているWAGYUMAFIA。その異端な和牛ブランドとU.F.O.が組んだ本商品は、単なる話題性にかまけた新作ではない。

牛脂の圧倒的存在感
牛脂の圧倒的存在感

 小袋を開けた瞬間に広がる牛脂の圧倒的な存在感は、いつものU.F.O.とまったく異なる世界観を構築し、なおかつあの強烈な“ぶっ濃い濃厚ソース”も確かに存在している。その類を見ない組み合わせもさることながら、別添のわさびペーストで最後まで飽きさせない、創意工夫に富んだ一杯だ。

 あえて販売価格の制約を度外視し、エンターテインメントとしての「食」を突き詰めた挑戦。高級和牛をインスタントという日常に落とし込んだ、カップめんの限界を模索する…いや、むしろその限界を顧みない、なんとも革新的な一杯だった。

【伝わってくる独特の薬膳感】ファミリーマート「麻辣湯好きに朗報です 汁なしまぜそば 麻辣湯味」(258円+税)

 いまや街のいたるところで専門店を見かける麻辣湯(マーラータン)。即席カテゴリーでは医食同源ドットコムの商品が話題だが、本来はスープありきの麻辣湯を「まぜそば」にアレンジした本作。破天荒さが売りのエースコックが製造を担当しているため、地雷なのでは…と、不安に感じたユーザーも少なくないだろう。だが、その心配はまったく必要ない。

〝真空仕立て麺〟を採用
〝真空仕立て麺〟を採用

 同社の「モッチッチ」が培ってきた“真空仕立て麺”を採用しためんは、油で揚げているにもかかわらず、プロの筆者でさえノンフライに見紛いそうな本格さ。味付けにも余念がなく、痺れや辛さに遠慮の欠片もない。しかし、ただの刺激物でもない。

 紹興酒や中国しょうゆを配合したタレは複雑でコク深く、別添の甘いスパイスからは麻辣湯特有の薬膳感も伝わってくる。あえて汁なしという選択肢を取り、その魅力を昇華させたファミリーマートの意欲作。専門店に並ぶ時間がなくても、デスクの上で手軽に本格的な体験が楽しめるだろう。

【別添「背脂」に真価が宿っている】ファミリーマート「来来亭 背脂こってりラーメン葱盛り」(267円+税)

 人気チェーン「来来亭」のカップラーメンといえば、以前からファミリーマートの顔になっている。エースコックと定期的に新作を発売しているが、意外にも「葱盛り」は初めての試みだ。正直にいおう。この商品の魅力は、コンセプトの「葱盛り」ではない。別添の「背脂」にこそ真価が宿っている。

リアルな芳ばしさ
リアルな芳ばしさ

 即席カップめん業界に背脂は数あれど、これほどまでにリアルな芳ばしさを放つ液状の背脂は他にない。そんな香りの臨場感もさることながら、小さな粒まで視認できる。これだけ使い勝手がよく、かつ本格的な背脂は、まさにエースコックが誇る伝家の宝刀だ。

 先述した「麻辣湯まぜそば」を探しにファミリーマートへ足を運んだのなら、ぜひこの「背脂こってりラーメン」もセットで手に入れてほしい。そこまでネギに魅力を感じていないのであれば、定番の「背脂しょうゆラーメン」を試してみるのもいいだろう。至高の背脂の勢いは「こってり」に勝るとも劣らない。

 各商品の詳しいレビューはブログ「本日の一杯 -Cupmen review blog-」参照。

 ※表示価格は発売時のメーカー希望小売価格です。スーパーなどでの販売価格は希望小売価格よりも安くなるケースが一般的ですが、コンビニでの販売価格はメーカー希望小売価格+8%を目安にしてください。