〝神童〟に最大の危機到来か。ボクシングWBC世界バンタム級挑戦者決定戦(11日、両国国技館)で同級1位フアンフランシスコ・エストラダ(35=メキシコ)と対戦する同級2位・那須川天心(27=帝拳)が31日、都内で公開練習を行った。

 昨年11月の前戦では、井上拓真(大橋)との同級王座決定戦でボクシング8戦目、格闘技を含めれば55戦目で初めての敗北を経験した。今回の再起戦は負けられない戦い。「自分的にも客観的に見ても本当にギリギリ」という追い込まれた状態で臨むことになった。

 しかし、そこに立ちはだかるのは2階級で2団体統一を果たした百戦錬磨の大物エストラダ。その実力は那須川も「本当に何でもできるし、一筋縄ではいかないなというのもある。本当にパターンをいろいろ出していかないと勝てない」と認めている。

 海外ブックメーカー各社のオッズもエストラダ勝利が約1・5~1・6倍、那須川勝利が約2・2~2・5倍と、那須川不利の見方が強い。ちなみに那須川は過去のボクシング全8戦のオッズはすべて有利となっていた。キックボクサー時代の2016年12月に行われた当時のルンピニー王者ワンチャローン・PKセンチャイジム戦では「〝神童〟那須川天心最大の危機!」とのうたい文句が付けられていたが、今回はそれを上回る格闘技キャリア最大の危機と言ってもいいだろう。

 それでも「そういう時の方が力を発揮できるなというのもある。常にギリギリではあるんですけども、次こそやってやるよっていうのが、自分の心の中で芽生えてきました」と闘志は燃える一方。この試合から、帝拳入り前にボクシングを学んでいたグローブスジムの葛西裕一会長の指導を再び受け、前戦で苦しんだ接近戦対策のショートパンチを強化するなどレベルアップにも抜かりはない。ピンチをチャンスに変えることはできるか。