鈴木憲和農水相が24日に行われた参院農林水産委員会に出席。アラブ首長国連邦(UAE)で開催される予定のドバイワールドカップデー(28日=メイダン)に向けて遠征したJRA(日本中央競馬会)所属の競走馬などに関する質問を受けた。

 立憲民主党の石垣のりこ参院議員は「中東情勢に鑑み、1つ質問をさせていただきます」と切り出し、ドバイワールドカップに日本の競走馬が出走することに関して質問した。

「情勢は日々刻々と変化しておりますけれども目下、外務省がレベル3、渡航中止勧告を発出している極めて危険な中東情勢下で、ドバイワールドカップに出場するために一部の厩舎が競走馬をドバイに遠征させたということがございます。UAE内の米軍基地などの関連施設だけでなく、ドバイ国際空港や金融地区であるとか、高級ホテルなども被害を受けている状況、非常に危険な状態です」と指摘。

 ドバイワールドカップは、国内での馬券発売が中止されることに触れ、「これは組織として妥当であると考えますが、JRAから免許を受けて、公的な後ろ盾で活動する調教師、馬主がいくら今回、王室からの招待であるとはいえ、国の勧告を無視して遠征を強行したという事実がございます。競走馬と一緒に渡航した厩舎スタッフは、調教師に雇用されている労働者という不利な立場でもございますし、危険地帯に行きたくなかったとしても、雇用主である調教師に逆らうことは難しいと思われます。もちろん、馬は自ら拒否することもできません。渡航中止勧告を無視して渡航したことに関して、農水省としては不適切と考えていらっしゃるのか。競走馬好きを自称されている鈴木農林水産大臣に見解をうかがいます」とした。

 これに鈴木氏は「3月28日に開催予定のドバイワールドカップデーに向けまして現在、6頭の馬が現地におります。うち3頭が外務省の渡航中止勧告後にドバイ向け、出国したというふうに承知しております」との認識を示した。

「3月5日に外務省がアラブ首長国連邦の危険レベルを引き上げたいうことを受けまして、日本中央競馬会は農林水産省とも協議のうえで職員の現地への派遣を中止するとともに、関係者に対して3月6日に渡航予定馬の渡航自粛と滞在馬の帰国を推奨したところであります。引き続き、関係者や競走馬の安全が確保されるよう、状況を注視してまいりたいと考えております」

 石垣氏は「渡航を禁止する強制力はないとしても、JRAは農林水産省の監督下に置かれている特殊法人であります。JRA自身が、繰り返しますが、職員を行かせられないと判断する危険地帯に部下、馬を送り込む行為というのは、労働契約法上の安全配慮義務違反であるとか、国際的なアニマルウェルフェアの精神にもいちじるしく反する行為ではないでしょうか。渡航禁止勧告を無視した者に対して、なんらかのペナルティーが必要と考えますが」と問うた。

 これに鈴木氏は海外安全情報に「法的な強制力を持って渡航を禁止したり、退避を命令したりするものではないということだと、承知をしているところでありまして、あくまでも助言という位置づけにいまのところ、なっているものであります」と説明。

 続けて「日本中央競馬会としても、今回のドバイワールドカップデー出走のため出国した関係者に対して、なんらかのペナルティーを科すような、そういったお話しはないと聞いているところでありまして、これについては農林水産省としても同じ考えであります。今後の方針については予断を持ってお答えはできないのですが、農林水産省として今回の出走に関して、競馬会とともに、あらためて関係者から今回の顛末についてよく話しをうかがったうえで、競馬会を通じて関係者や競走馬のさらなる安全確保をうながしていきたいと考えています」と答えた。