昨季のア・リーグ王者に、開幕前から不穏な空気が漂ってきた。
米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は、トロント・ブルージェイズの先発陣に故障者が相次ぎ、ロースター編成の前提そのものが揺らぎ始めていると報じた。ホセ・ベリオス投手(31)、シェーン・ビーバー投手(30)、そして昨季に台頭したトレイ・イェサベージ投手(23)が相次いで離脱。厚みが売りだった投手陣は、一転してシーズン序盤の最大不安材料になりつつある。
もっとも、トロントが即座に崩れるとまでは見られていない。ジョン・シュナイダー監督(46)がにじませた通り、開幕ローテはケビン・ガウスマン投手(35)、ディラン・シーズ投手(30)、マックス・シャーザー投手(41)、コディ・ポンセ投手(32)、左腕エリック・ラウアー投手(30)という形で何とか体裁を整えられそうだ。ラウアーがわずか数週間で「8番手」から先発候補の最前線まで浮上した事実は、今のチーム事情をよく表している。
一方で、ブルージェイズ専門メディア「ジェイズ・ジャーナル」は、この苦境をむしろ「補強の成果が早くも表れた」と前向きに捉えている。今オフに先発陣へ積極投資していたからこそ、ベリオス、ビーバー、イェサベージの離脱があってもローテを回す計算が立つという見方だ。確かに、シーズ、シャーザー、ポンセの獲得がなければ、トロントは開幕前から若手の前倒し昇格を迫られていた可能性が高い。
ただ、安心材料ばかりではない。先発に離脱者が出たことで、今度はブルペンのロングリリーフ要員が薄くなる。ジェフ・ホフマン投手(33)、タイラー・ロジャース投手(35)、ルイ・バーランド投手(27)、左腕ブレンドン・リトル投手(28)ら勝ちパターン候補はいても、序盤の継投負担が膨らめば全体の設計は一気に苦しくなる。ルール5ドラフトで獲得したエンジェル・バスタード投手(23)の扱いまで含め、投手陣はすでに〝やり繰りモード〟に入っていると言えそうだ。
そこへ韓国メディア「OSEN」は、MLB公式サイトのカストロ・ヴィンス記者による「トロントは今季ポストシーズンを逃す」という大胆予想を紹介。昨年のワールドシリーズ進出を果たした強豪でも、先発の故障が重なれば話は変わるというわけだ。
しかも今季は、巨人から海を渡った新加入の岡本和真内野手(29)にも大きな視線が注がれる。ボー・ビシェット内野手(28=メッツ)が去った打線の穴を埋める存在として期待されるだけに投手陣の不安が強まるほど、岡本にかかる重圧も増していく。
王者返り咲きへの上積みか、それとも誤算続きの失速か。ブルージェイズは開幕前から、すでに真価を問われている。












