薬膳は中国伝統の栄養学に従い、食事で養生し健康を維持する医食同源の知恵だ。花粉症に悩む人向けに、今回は目に症状が出る場合について薬膳の専門家にアドバイスをもらった。
【目に症状が出る花粉症にはセロリ、春菊、クレソンを】
中医学(いわゆる東洋医学)では花粉症の症状が目に出るタイプを「熱証」と分類して対策する。熱証は、くしゃみも出るが鼻が詰まり、目が赤くなったり、かゆみがあったりする。頭痛もする。また、体に火照りを感じる場合も多い。
「熱証の花粉症は“外邪”が目を侵すことによる不調です。目は肝臓と関連する器官とされ、肝臓の養生から目の健康効果を図ります。薬膳で『清肝明目』とされる肝臓の熱を鎮め、目の不快症状の改善を目指す食材を使うといいです」とアドバイスするのは国際中医薬膳師で食医のユウ・シャーミンさんである。
「清肝明目」の食材とはセロリ、春菊、クレソンなど。セロリは目の充血やめまい、頭痛、高血圧などにいいとされ、気分をすっきりしイライラを解消する効果もある。春菊は胃腸の消化促進と、「明目」の働きがある。クレソンは、体の熱毒を取り除いて冷ます作用や肉食の消化促進に効果があるとされる。いずれも簡単に家庭で料理に取り入れることができる。
また漢方の治療では桑の葉、菊花などを使う。桑の葉は目の充血や発熱に効果があるとされ、菊の花も目の不調によく使われる。体内にたまった余分な熱を冷まし炎症を抑える鎮静効果があり、目のかすみや疲れ目、充血などに使われる。例えば菊の花を入れた薬膳茶は熱証の花粉症の症状に大変にいいそうだ。また日本で一般に飲まれる緑茶にも頭をスッキリさせ、火照りを収める効果がある。
【普段の食事や生活習慣で予防――体質の違いにも注意を】
花粉症は、症状が出てから対策するのではなく、症状が出ていない緩和期(普段)から早めに予防対策を取って、花粉に負けない体質改善に努めることが大切だ。これは中医学の“緩則治其本”という考えである。
具体的には、普段から肺にいい食材を取り入れると花粉の侵入を未然に防ぐ効果がある。例えば白色の食べ物や、きび、レンコン、豆乳、果物などがいい。また暴飲暴食をせず、過労を避け、ストレスを適度に発散して胃腸の調子をいい状態にキープすることだ。
ただし、中医学では個人の体質を分けて花粉症対策を考える。肺が弱いタイプは「肺気不足」による防衛機能低下で外邪が侵入しやすく、胃腸が弱いタイプは「脾胃気虚」で気が不足し肺気不足になり、飲食の不摂生タイプは「痰飲内停」で特に水分代謝が悪くなり、ストレスがたまるタイプは「肝気鬱滞」で肺気の乱れを引き起こす。
「それぞれの人の花粉症の原因を、体質チェックした上で個別対策します」とユウさんは注意してくれた。個人個人のタイプによって普段の体質改善を心がけ、体の防衛機能を強化して外邪を撃退し、つらい症状の緩和を目指すのだ。
花粉症の薬を飲んでも症状が改善されない人は、薬膳の力を借りて花粉症シーズンを乗り切ってはいかがだろうか。












