無念の惜敗となった。8日に投開票となった石川県知事選で現職の馳浩氏が落選した衝撃が広がっている。当選した前金沢市長だった山野之義氏とは6110票差。能登半島地震の被災地を含め県内の多くの地区で馳氏がリードしたが、金沢市の票でひっくり返った。よもやの〝フォール負け〟を喫したワケは――。
落選を受けて馳氏は9日、X(旧ツイッター)に「落選は一重に私の責任であり、力不足をお詫び申し上げます。大変申し訳ありませんでした」と謝罪のコメントを投稿した。能登の復旧復興はまだ道半ばとした上で、「私自身、今回の結果を厳粛に受け止め、今後どのようにお役に立つことができるのか考えていきたいと思っています」とつづった。
敗因については保守分裂という事情があった。自民党衆院議員だった馳氏には高市早苗首相が石川入りして「すごい知事を皆さまは失っちゃいけない。スマホ一本でいろんなことを、どこの役所にも頼める。どの国会議員でもコキ使える。こういう知事を失っちゃいかんのです」と力説。ほかにも多くの自民党国会議員が応援に駆け付けた。
一方の山野氏も金沢市議時代は自民党に所属していた。無所属になったうえで2010年に金沢市長に当選。22年まで続けただけに金沢市での支持が広がっていた。
勝敗を分けたのはその金沢市の票だった。能登半島の輪島市や珠洲市など被災地を含む多くの地域で馳氏がリードしたが、金沢市は山野氏が約3万4000票も上回った。
また、討論会の影響も指摘されている。同県知事選では6日にYouTubeチャンネル「ReHacQ(リハック)」による討論会が開催されたが、馳氏は参加しなかった。山野氏ともう一人の候補者である黒梅明氏はリモートで参加。ファシリテーターの高橋弘樹氏によると、馳氏は「知事の職務代理者を置いていないため、選挙期間中であっても災害発生時など緊急の事態において自ら公務にあたる方針で、即応できる態勢を最優先」にしていることから出席を辞退したとのことだった。
もっとも視聴者からの反応は辛辣だった。「討論もできない政治家に投票しませんでした」「討論会に出席するのは最低ラインである」「選挙討論会に出ないのは個人的にはマイナスイメージになりました」と、欠席の馳氏に対して厳しい言葉が並んだ。
永田町関係者は「政治に関心が高い人が見るので、政界でリハックの影響は大きい。選挙の討論会を行うケースも増えてきている。影響力があり過ぎて警戒している政治家もいるほどです」と指摘した。リングでは誰の挑戦も受けて立っていた馳氏だが、討論会欠席のインパクトは小さくなかった可能性がある。
衆院選大勝の自民党に冷や水を浴びせる選挙結果となった。












