東京高裁は4日、文部科学省による世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令請求を巡り、一審に続き解散を命じる決定を下した。これにより教団財産を清算する手続きが開始される。一方の教団側は「我が国の歴史に残る汚点」と不満をあらわにした。長年、旧統一教会問題の取材を続けるジャーナリストの鈴木エイト氏は教団の〝不穏な動き〟を指摘し、想定されるシナリオを警告した。

 文科省は2023年に教団に対する解散命令を東京地裁に請求し、25年に地裁は教団に解散を命じる決定を下した。教団側は決定を不服として即時抗告し、高裁で非公開の審理が行われていた。

 この日、高裁は「極めて悪質な行為があった」として地裁の判断を支持し、教団の即時抗告を棄却。それに対し教団側は「今回の司法の判断は、新たな政治テロを誘発すると同時に、国際社会における日本の信用を失墜させるものであり、我が国の歴史に残る汚点になる」などと声明を発表した。

 今回の決定を受けてエイト氏は「安堵すると同時に甚大な被害を起こしてきたことを考えると遅きに失したのかなという思いがあります」と複雑な思いを語った。

 教団は解散を命じられたものの、乗り越えなければならない問題は多い。

 エイト氏は「解散命令決定の文書に記された教団の資産を見ると現金がかなり目減りして、その分不動産が増えている。被害者弁済において、現金が足りるのか微妙なところ」と教団の〝異変〟を指摘する。

 現金が減り、不動産が増えることは何を意味するのか。「清算手続きにおいて先に現預金から弁済して、足りない時に不動産を処分する。宗教活動に使っている不動産は処分しづらい。清算をやりづらい状況をつくっているのではないかと疑われる形跡があります」という。

 教団は「我が国の歴史に残る汚点」との声明を出したことについてもエイト氏は「極端な被害者意識、他責思考が強く見えました。そういう態度が改まらない限りは団体として存続させるべきではない」と断罪。

 解散命令によって宗教法人ではなくなるが、任意団体として宗教活動は継続できる。

 今後、注目されるのが財産の移転先に指定された教団と友好関係にある北海道帯広市の宗教法人「天地正教」の存在だ。旧統一教会の総資産は1000億円以上と言われており、エイト氏は「清算人が文化庁の指針を無視して時効消滅の援用もせず、公告期間、集団訴訟で和解を名乗り出た債権者だけに金額的なものを払って清算業務を決了させると1000億円近い残余財産が帰属先である天地正教に移ってしまう。天地正教が実質的な後継団体として変わらず教団が存続することになる」と今後のシナリオを想定する。

 教団は最高裁に特別抗告する方針を示しており、予断は許さない。エイト氏は「引き続き監視していくしかない」と厳しい目を向けた。